歌舞伎俳優の八代目尾上菊五郎、六代目尾上菊之助らが1日、大阪松竹座で行われる「七月大歌舞伎」(5~24日)の公演に先駆け、道頓堀で行われた「船乗り込み」に参加した。
船乗り込みとは、江戸時代から続く行事で、歌舞伎俳優や一座が興行地へ到着したときの儀式。昭和に入り途絶えていたが、1978年暮れに発足した「関西で歌舞伎を育てる会」が79年5月に55年ぶりに復活させた。コロナ禍などで実施されなかった年もあったが、水都・大阪に本格的な夏の到来を告げる季節の風物詩として定着した。
気温34度、梅雨明けを実感するカラっとした風が吹く快晴の道頓堀には、歌舞伎俳優をひと目見ようと集まった歌舞伎ファンや通りかかった外国人観光客が詰めかけた。
19人の歌舞伎役者を乗せた船が、えびす橋の下に集結すると、どうとんぼりリバーウォークから「八代目(尾上菊五郎)、まってました、(坂東)彌十郎さん、日本一!」といった声援や歌舞伎役者の屋号を呼ぶ、大向う(おおむこう)の声が響いた。
紙吹雪が舞い、口上が始まると観客は、ため息とともに「すてき、ファンタスティック」といった声を漏らした。「八代目尾上菊五郎」と名を呼ばれた菊五郎が起立し、四方に頭を下げると、大きな拍手が起こった。
船乗り込み後に、大阪松竹座の正面で行われた式典で菊五郎は「このたび、尾上菊五郎の名を八代目として襲名させていただきました。菊五郎と申しませば、東京のイメージがおありになるかと思いますが、初代そして二代目は、関西で生まれました。(襲名披露興行)七月の大歌舞伎は、初代そして二代目に顔向けができるように努めたい」と意気込んだ。
観客から「ようこそ!」と温かい声援で迎えられた菊之助は「このたび、尾上菊之助の名を六代目として襲名させていただきました。一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いします」と頭を下げると、この日一番の大きな拍手が起こっていた。













