俳優の市村正親が23日、大阪市内で行われた「音楽劇 エノケン」(11月1~9日=大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール)の取材会に出席した。
同公演は、台本をお笑いタレントで小説家の又吉直樹が戦前・戦中・戦後の日本をとびきりの笑いで照らし続けた喜劇王・榎本健一(通称・エノケン)の波乱の人生を新作戯曲として書き下ろし、市村がエノケンを演じる。
エノケンの印象を聞かれた市村は「僕が子どものころから見ていた榎本健一。(CMソングをエノケンの声マネで歌いだし)『渡辺のジュースの素です。もう一杯』。子どものころのコマーシャルで流れてたんです。喜劇ってものを子どものころから知ってはいたんです。エノケンのような超喜劇ってのは、やったことがないんですね。喜劇とは何か学べたらいいな。日本人の誰もが知ってる有名人、とてもやりがいのある役に出会った。ここまでがんばってきたからこそ、こういう役と出会えたのかな」と胸を張った。
さらに「人間が他人を生きるなんて、ほぼ不可能に近い。それを50年やってきて、こういう新しい役と出会うわけでしょ。76歳でしょ。挑戦のしがいがある。山は登りたくないけど、こっち(芝居)の山には登りたい。まだまだ登らなきゃいけない山がありますよ。久々に大きな山だなって感じがしてます」と意欲を語った。
今回脚本を手がける又吉について「又吉さんの書いてる小説ってのは、人間の太い血管じゃなくて、毛細血管みたいなところを流れているような役を本の中に感じるので、又吉さんの書くエノケンにどこまで僕が入っていけるかなってのが楽しみ」と期待を語った。
1人で妻・花島喜世子と榎本よしゑの2役を演じる松雪泰子について「松雪さんピッタシですよね。エノケンの最初の奥さまが女優さんだった。2番目の奥さんが芸者さんで最後にエノケンを見守っていく人。ゾクゾクっとする役どころなんです。榎本健一と2番目の奥さんの方が精神的につながりが強かったんじゃないかな。それをやるには(松雪さんが)ピッタリ。昭和初期の女優さんであり芸者さんあがり、踊りもうまかったし。色気のある部分は松雪さんに全部お願いして…」と絶大な信頼を寄せていた。
最後に「俳優生活53年、いよいよ喜劇王・榎本健一を演ずる機会をいただくわけですけど、歌って踊って芝居をして、とても激しい人生を送った榎本健一を又吉さんの脚本とシライケイタさんの演出でみなさまにお目にかける。こんなに人生が詰まってて、終わったあとは席を立てなかったくらいのものをお見せする覚悟でいますので、ご期待ください」とアピールした。
大阪以外の公演は10月7日から26日まで東京・シアタークリエ、11月15、16日は佐賀・鳥栖市民文化会館、11月22日から24日は愛知・名古屋文理大学文化フォーラム、11月28日から30日は埼玉・ウェスタ川越となっている。












