柔道の元五輪代表が詐欺の疑いで逮捕されたと報じられ、波紋を呼んでいる。

 元柔道日本代表で1992年のバルセロナ五輪に出場した丸山顕志容疑者(58)が、6年前に仮想通貨を購入すると言って女性から現金約4000万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで29日に千葉県警に逮捕された。警察は余罪などを慎重に調べていくという。

 丸山容疑者は65キロ級のトップ選手として、バルセロナ五輪では7位になるなど国内外の大会で活躍。独特の形で決める袖釣り込み腰は「丸山スペシャル」と呼ばれ、豪快な投げ技が得意技だった。引退後は柔道教室を主宰する一方で、投資ビジネスにも手を広げた。

 ある柔道関係者は「現役時代からお金に関することで評判は良くなかった。引退した後はマルチ商法の会社の社長になって成功したんだけど、最終的にはうまくいかず、逃げ回っていたみたい」と明かす。話を持ち掛けた相手には自身の試合ビデオを見せるなどして、信用を得ていたという。「だまされた人は彼を金メダリストくらいに思っていたのでは」(前出の柔道関係者)と、「オリンピアン」だったことを最大限に利用していたようだ。

 また元五輪選手の逮捕は柔道界のみならず、スポーツ界全体への影響も大きい。2021年の東京五輪では汚職や談合事件で、大会組織委員会のスタッフに逮捕者が出るなど〝負の遺産〟がクローズアップされた。世間の風当たりも厳しくなり、札幌市の冬季五輪招致は断念に追い込まれた。そうした中で「五輪」を背負った元選手の逮捕で、さらなるイメージダウンは避けられない。