◇菊地孝平(45)静岡支部82期
 
 伝統の一戦――。SG「第70回ボートレースダービー」が24日に幕を開ける。舞台はボートレース蒲郡だ。昨年のとこなめ大会では馬場貴也がダービージャケットを身にまとったが、優勝戦1号艇は菊地孝平だった。あの敗戦から1年――。どんな心境で今大会に挑むのか。「強くあり続ける」と題したカウントダウンコラム第1回は、その胸の内に迫った。

 昨年のとこなめダービーでは優勝戦1号艇。インからトップスタートを決めて先マイも1M流れて3着に終わった。「またやり直します」と悔しさを噛み殺しながら言葉を絞り出した、あの日から1年が経過した。

 その敗戦については「もう忘れてます」とキッパリ。「去年のことを思っても何もいいことはない。今、自分に何ができるか。しっかり何が失敗だったか、というのをいろいろ反省して、すべて片づけた。そこを経て強くなったと思っている。ただで転びたくないじゃないですか。せっかく転んだんだったたら、もうひとつやふたつ上に上がるまで立ち上がっていきたい。あの失敗をどこかで成功につなげたら…。年々、確実に強くなっているという意識はある」と冷静に、そして力強く言い切った。

 今年は9優出3V。9月の住之江・高松宮記念、10月のびわこ71周年記念とGⅠで優出するなど調子を上げてきた。「結構いい流れで走れている。プロペラ調整もだいたいイメージ通りでいけているし、いいレースができているパターンが多い」と菊地自身も手応えをつかんでいる。

 19日現在で賞金ランクは37位。グランプリ18枠に食い込むためにも今大会は賞金加算のチャンスだ。ただ、前のめりになることはない。「基本的にいつもと一緒の気持ちで行きたい。結局は勝ちたいし、優勝したいし、いつも1等を取りたい。その気持ちは一般戦でも記念でも変わらない。年末に向けて条件が出てくる。細かい何着条件とか…。やることは一緒なのに、そういうのを意識することによって変な邪念が生まれるのが良くない。今は是が非でもグランプリに行かなきゃという気持ちで走ってはいない」と自らに言い聞かせるように話す。

 目の前のレースに集中――。この考えを貫こうとするのは自信の裏付けもあるからだ。これまで積み重ねてきた技術と経験。そして、それらを土台とした近況のレース内容…。こうしたファクターを総合的に考えれば「落ち着いて自分の仕事をできれば必ずチャンスはくると思っています」という結論にたどり着く。

 2016年の桐生メモリアル以来7年ぶりのSG戴冠へ機は熟した。