音楽グループ「アリス」のリーダーでシンガー・ソングライターの谷村新司さんが8日、亡くなった。74歳だった。所属事務所が16日、発表した。「チャンピオン」や「いい日旅立ち」など数多くの名曲を手掛けた一方、後進の育成にも尽力。代表曲「昴(すばる)」誕生のきっかけとなった宇宙や宇宙人を探求する一面もあった。関係者らに「火星人はいる!」と豪語したこともあったという。
谷村さんは今年3月、急性腸炎のため手術を受けて入院したことを発表し、療養を続けていた。6月から開催予定だったアリスの全国ツアーも延期していた。
昨年11月に活動50年を迎え、アリスの記念ライブ「ALICE GREAT 50(FIFTY)」を東京・有明アリーナで開催。メンバーの堀内孝雄、矢沢透とともに「ここからリスタートして10年続けよう」と目標を立てていたが、かなわなかった。葬儀は近親者のみで15日に執り行われたという。所属事務所によると、後日偲ぶ場を設ける予定だ。
1971年12月に堀内、矢沢とアリスを結成し、翌72年3月にデビュー。「今はもうだれも」「冬の稲妻」「チャンピオン」などヒット曲を連発。ソロとしても74年に初のアルバムを発売し、80年に「昴」が大ヒット。また、「24時間テレビ」(日本テレビ系)のテーマ曲で、加山雄三と共同制作した「サライ」や、山口百恵さんの「いい日旅立ち」など他のアーティストへの楽曲提供も多い。これまで生み出してきた曲数は700近くを数える。
一方、2004年に上海音楽学院の常任教授に就任。東京音楽大学の客員教授として教壇に立ち、後進の育成にも尽力。15年には40年以上にわたり音楽活動で、アジアに受け入れられる作品を生み出したことが評価され、紫綬褒章を受章した。
そんな谷村さんは宇宙や宇宙人について深く関心を示してきたのは知る人ぞ知る話だ。
2014年に出版した「谷村新司の不思議すぎる話」では、名曲「昴」の誕生秘話を告白。宇宙(宇宙人)からのメッセージを受け取り、わけもわからぬまま作詞を書き終えたと衝撃発言した。
谷村を知るレコード会社関係者もこんな秘話を明かす。
「谷村さんはホテルの一室にこもって作詞、作曲をしていたのですが、4~5日で10曲ほどを書き上げることもありました。どんどんひらめくようで『舞い降りてくる』と…。まさに『昴』のときのような出来事でした」
50代半ばに体調を崩したことをきっかけに、独学で宇宙や宇宙人にまつわる書籍や哲学書を読みふけり「いったい自分は何者なのか?」を自問自答しながら探求。関係者らと音楽や世の中の不思議を語り合う場も不定期開催されるようになり、いつしか「谷村塾」と呼ばれるほどになった。
「谷村さんは『宇宙人では?』と聞かれると、『僕は地球人』と答えていました。ただ、火星や水星など多くの惑星に人間のような宇宙人は存在していて、『火星人はいる!』と熱弁したこともあった。本当に好奇心旺盛な人でした」(同)
戒名は「天昴院音薫法楽日新居士」(てんぼういんおんくんほうらくにっしんこじ)。
所属事務所は「まさしく天にある星となって私達を照らし続けてくれる事だろうと思います」と故人をしのんだ。












