【今週の秘蔵フォト】1970年代中盤に宝塚歌劇団で爆発的なブームを呼んだ「ベルサイユのばら」(池田理代子作=初演74年)の、75年花組公演でオスカル役を演じて一気にトップスターとなったのが、安奈淳だ。同作は再演を繰り返して14年6月には通算500万人動員を記録。宝塚歌劇団最大のヒット作となった。

当時31歳だった安奈
当時31歳だった安奈

 安奈は65年に宝塚歌劇団に入団。73年「浮舟と薫の君」の薫の君で、本公演の初主演を演じ、75年の第1期「ベルばら」ブームの中心人物となった。その後も「ホフマン物語」や「風と共に去りぬ」で、押しも押されもせぬトップスターとなり、78年7月31日の「風と共に去りぬ(スカーレット編)」で宝塚を退団する。78年7月1日付本紙には引退を控えた安奈のインタビューが掲載されている。

 サヨナラ公演が決まると同時に東京・有楽町の宝塚劇場には、前売り券を求めて1万3000人が行列をつくったという。「本当にファンの皆さまにはよくしていただいて、宝塚は去りがたいのですが…。引退公演の時は絶対に泣かないと決心してるんですけど、大阪の時の前例もあるし、やっぱり泣いてしまいそう。だって後輩もお客様も泣いているんですもの。引退後は東京で暮らします。友達の家に居候するんです。もちろん女性。下宿代もきちんと払うつもりです。フフフ」と引退直前の心境を明かしている。

 8月1日に独立(東宝演劇部所属)という形になるが、9月にはすぐに「萬代屋(もずや)お吟」の東宝宝塚劇場の舞台が待っており、稽古は8月中旬から。しかしこれが宝塚入団後、初の半月休暇になるという。

「その期間は全部引っ越しに充てるから旅行なんてできないの。女の荷物ってないようであるんですよ。整理するのに大変で今から悩んでいます」と語った。この時点で10月と11月の帝劇出演が決まっており、12月と1月もほぼ舞台が決まっているという。「ミュージカル女優を目指したい」という言葉通り、その後は舞台やテレビ、歌手へと活動範囲を広げ、昨年には75歳記念コンサートも開催するなど、元気いっぱいである。 (敬称略)