福井競輪GⅢ「開設73周年記念 不死鳥杯」が22日、開幕する。完全王者・脇本雄太(34=福井)が主役を務めるが、不気味な存在なのが北津留翼(38=福岡)だ。

 輪界一のチャーミングさを引っ提げ、福井の地に乗り込んできた。前回の函館GⅡサマーナイトFでは初日に敗退も、2日目に上がり10秒7の超快速まくりを披露。これは約3時間後に脇本雄太が10秒6を叩き出すまではバンクレコードタイで、「函館の調子はいつも通りでしたよ」と話す〝いつも通り〟がいかに別次元かがうかがえる。

 1月の小倉で先頭誘導員早期追い抜きの失格を喫し、4か月間のあっせん停止を受け6月の別府で復帰。出走回数不足でビッグ戦線への参加も少なくなる中で、今回を含め、現在あっせんが入っている京王閣GⅢ、豊橋FⅠを走り抜けば11月の小倉GⅠ競輪祭の扉が開きそうになっている。

「1走、1走をゴールまで走り抜くしかないですね。地元のファンの前でお返しをしないといけないのもあるし」

 失敗をしたからこそ、同じ地の大舞台で取り返す――かと思いきや「でも、今でもビッグレースは緊張するし、誘導としてくらいでもいいですけど(笑い)」と北津留らしさも忘れない。

 初日は清水裕友(28=山口)が空いている番組と知ると「そうなんですか!」と少考。その後、将棋で言えば持ち時間を使い切る前に「自力で」と一手。「(清水は)魅力的な選手なんですけどね」と付け加えつつスタイルを貫いた。

「でも、脇本選手が強すぎるし手も足も出ないですよ」

 どこまでもピュアで正直で強い男が、強敵相手に一矢報いる。