アイドルグループ「仮面女子」の涼邑芹(すずむら・せり=24)が8月に上演される新作ミュージカル「NeoDoll」(8月18日~27日、東京・新宿のシアターサンモール)に出演。念願の舞台デビューに向けて「ゼロからのスタート」と意気込んでいる。
演出は「少女☆歌劇 レヴュースタァライト―The LIVE―」や「NARUTO―ナルト―」』など有名作品を多数手がける宝塚歌劇団出身の児玉明子。総合演出・振付は、俳優・アーティストとして活躍しながら、日中合作の音楽劇「李香蘭―花と華―」などの演出・振付でも注目される良知真次。2人がタッグを組んだオリジナルのガールズミュージカルとして上演される。
出演はNizi Projectファイナリストの平井桃伽、元こぶしファクトリーの浜浦彩乃がダブル主演を努め、元宝塚歌劇団男役スターの飛龍つかさと天寿光希が特別出演する。
そうそうたる顔ぶれキャストに名を連ねることになった涼邑は「5~6年前から『ミュージカル・舞台をやりたい』と言い続けてきたことが実現した」と目を輝かせた。
オーディションでは書類審査、歌唱、ダンスの映像審査を経て最終となる対面審査に進んだ。面接では演出の児玉から「手に入りそうで入らないような、欲しい物」を聞かれたという。かねて仮面ライダー出演願望を口にしてきた涼邑は「何の意図があるんだろうと不思議でしたが、私は『受かっても落ちてもいいや、経験を積もう』という気楽な考えだったので、バカ正直に『変身ベルトが欲しいです』と答えました」と笑う。
児玉はそれに対し「それは難しいね、ほかは?」と返答。涼邑が「スイカです」と答えると「それは簡単に手に入るね」と返したという。
コントのような問答について「バカな返答をしてしまった」と後悔したと振り返る涼邑。最後は「アイドルとしてじゃなく、役者として舞台に立てるようになりたい」の熱意が通じたのか最終審査に進んだ約100人の中から、未経験ながらもオーディションを突破した。
これまで何本かの映画に出演しているが「一発勝負でやり直しがきかないので全然違います」ときっぱり。主演作「つむぐ」では「山形国際ムービーフェスティバル 2019」の最優秀俳優賞(船越英一郎賞)に輝いたが「人に恵まれただけで自分の実力とは思っていません。だからゼロから、マイナスからのスタートだと思っています」と言い切る。
稽古がスタートしてからは驚きの日々が続く。「初日、2日目から、皆さんがすごすぎて打ちのめされました。映像を共有するのですが、レベチすぎて本番を見ているような完成度なんです」(涼邑)。それでも「周りがすごい方ばかりなので吸収できるものは多いと思う。ピンチをチャンスに変えていきたい。舞台を終える頃には、2倍も3倍も成長していると思います」と前向きにとらえている。
歌稽古でも学ぶことが多かったという。「普段はライブをやっていますが、歌い方が全然違う。声量が大きくなったり『心で歌うんだよ』『究極の白米を炊くような感覚』など深いところまで、1フレーズごとに深く掘り下げて丁寧に丁寧に教えてくださる。1曲に対して何日もかけてやったりしている」
14日からは振り付けに入った。「日に日に稽古をするたびに、ようやくミュージカルをやるんだという実感が湧いてきて、楽しみでもあり、怖くもありという心境です」と話す。
涼邑が強調するのは周囲のサポートに助けられていることだ。
「周りの皆さんはたくさんの舞台を踏まれてきて経験も豊富な方ばかり。主演の桃伽ちゃんと私だけが初めての舞台で、1からではなくゼロからのスタート。歌唱指導もしていただいて、いろんな方から教わっている。制作陣の方々は『敵はいないから、みんな芹ちゃんの味方だよ』って言って温かく迎えてくれ、『一緒につくっていこうね』といい雰囲気でやれています。良知さんは演技のワークショップもやっていただいた」
本作に集中するためライブ活動を休んで稽古に励む。本番まであと1か月。
「自分にはぜいたくすぎるような場面もある。王子様的な役どころなので、元宝塚の男役の2人から吸収させていただきます」とソロとしての見せ場もあるとアピール。また「1部は演劇、2部はライブパートになっていますので、いろいろな層の方が楽しめると思います」という。
良知からは「初舞台はこれしかないからね。人生で一回だけなんだから、後悔のないように熱い夏を過ごしてね」と声をかけられた。涼邑は「「これがゴールではなくスタートラインなので、一人で多くの方に見ていただけたらうれしいです」と来場を呼びかけた。














