ボートレース芦屋のSG「第50回ボートレースオールスター」(優勝賞金4000万円)が23日に開幕。恒例の元天才ジョッキー・田原成貴氏(64)によるビッグレース予想も3回目。今大会はファン投票で選出されたトップレーサーが激突する〝艇宴〟。有馬記念3回、宝塚記念1回とファン投票で出場馬が決定するビッグレースを制し「ファン投票の重み」も熟知している田原氏がファン、レーサーへの敬意を込めた〝激アツ予想〟をお届けする。

 人気と実力を兼ね備えたレーサーたちが一堂に会するオールスター。どこを見渡しても魅力的な選手たちばかりのキラキラしたステージだ。勝率上位が出場するダービー、GⅠやSGの成績優秀者が集まるグラチャンやオーシャンカップ、賞金上位者によるグランプリなどは正真正銘の「実力」で出場枠が決まるが、このオールスターは違う。まずはファンに愛されなければ舞台に立つことは許されない。

 初日ドリーム戦メンバーの顔ぶれを見れば一目瞭然。まさにスター中のスターと言える6人だ。ひょうきんでお調子者だけど舟券を買うと頼もしい西山貴浩選手(福岡)、かわいくてかれんなのに水面に出ると大胆なレースをする守屋美穂ちゃん(岡山)。心情的には彼らに一発いわしてほしいが、やはりそうもいかない。紙面を任され、印を打つ立場としてはシビアに予想に向き合わなければならない。

 では、誰を軸にするか。オレは自信をもってファン投票1位・池田浩二選手(愛知)を推したい。彼が獲得した票数は2万3071。この数字に込められたボートファンの心理がオレにはすごくよく分かる。例えばプロ野球のオールスターなら「好き」「カッコいい」「憧れ」という観点で投票されるだろうし、アイドルグループの選挙となれば「とにかく大好き」という一点で票争いが行われるのではなかろうか。しかし、ボートレースオールスターにはもう一つ、重要な要素が加わる。ズバリ、舟券を託した時の忘れられない記憶だ。ドリーム戦1号艇・池田選手に懸けられたファンの気持ち――。今回、オレが声を大にして代弁しよう。

「池田さん、いつもお世話になっています!」

 そう、ボートファンにとって舟券でお世話になった選手は神様だ。おそらくファンの脳裏にあるのは、今も昔もSG1号艇で無類の強さを誇る池田選手の姿。大舞台で白いカポックを着た彼は色気すら漂う。オレ自身、何度この男に助けられたことか。ボートレースオールスターは単なる「好き」「嫌い」ではなく、命の次に大切なおカネを預けられ、その責任をきっちり果たす選手をファンは後押しするのだ。これまで池田選手の1号艇でお世話になったファンは数知れず。2万を超える票は、そんなファンのお礼なのだと思う。

 そういう意味では3号艇・毒島誠選手(群馬)、6号艇・桐生順平(埼玉)も無視できない。ボート界屈指の旋回力を持つ両者は、そのスピードターンで多くのファンを救ってきたはずだ。思い返せばオレも2人のファンタスティックなレースに魅せられ、幾度となく財布を潤わせてもらった。今回は改めて感謝の気持ちを思い出し、池田選手を軸に毒島選手、桐生選手に印を流すことにする。

 手前みそで恐縮だが、オレも有馬記念で勝った時は格別な気持ちだった。勝利の喜びに加え、いつも以上にファンに貢献した気分になるからだ。今回、池田選手は2万3071票の期待を背負い、いつものように冷静かつ堂々と逃げ切って最高の恩返しをしてくれると信じている。