18日の交通事故がもとで19日夜、「ザ・ドリフターズ」の仲本工事さんが81歳で死去した。だがドリフのコントは多くの人の心の中で生き続けている。
ドリフターズはもともと音楽性の高いバンドだったが、ギャグを取り入れてコミックバンド化し、やがてコメディアン的なグループに。仲本さんは生前、「ボクは個性がないコメディアンなんだ」と明かしたことがあった。
「もともと、ドリフは個性派揃いの集団。高木ブーは外見の個性。加藤茶は天才的なコメディアンとしての個性。志村けんは秀才的な個性。荒井注さんも見た目、話し方ともに個性的だし、いかりや長介さんには〝リーダー〟という個性があった。ボクは…ないんだよね」
「8時だョ!全員集合」という〝お化け番組〟でコントをやることで、その思いはさらに強くなった。
「無理やり自分にキャラクターをつけることはしなかったなあ。これは長さんも常々言ってたけど『できないことはやらない』のがドリフ。自分にウソをつくと、すぐに見ている人にも伝わるからね。だからボクも無理はしなかった」
しかし、仲本さんがいたことでグループのバランスが取れたことも事実。どんな役にも染まれるから〝代打〟ができたのだ。
1970年に加藤茶が何か月か番組を休んだときに代わりを務めたのも仲本さんだった。普段、加藤がやるような役、例えば、秘境の探検をしていて「一番最初に隊長! 私が行ってきます」なんて役を仲本さんがやった。後年、いかりやさんが「加藤が休んだとき仲本が完璧にこなした」とコメントしたとき、仲本さんは「本当にうれしかった」と振り返った。
いかりやさんとの関係は、ドリフの中で最も〝密〟だった。
「仕事が終わってからも語り合ったりした。メンバーの中で、そういう関係だったのはおそらくボクだけだったと思う。長さんにとってはずいぶん〝話しやすい相手〟だったみたいだね」
自宅に行くと、いかりやさんはお酒(家でしか飲まない人だった)、アルコールがダメな仲本さんはお茶を飲みながら、いろいろな話をしたという。
「基本的には、長さんが酔いつぶれるまで終わらない。夜遅くというか明け方までが多かった。私生活をあまり見せない人が目の前でへべれけになっていたんだから、何とも貴重な時間だったのかもしれないね」
話題の中心になるのは当然、笑いに関してだ。
「そこで、長さんの笑いに対するスタンスを知ったよね。例えば、架空の話を演じるより、家庭や日常の出来事をテーマにするものが好きだとか」
そんな中で生まれたのが「ドリフ大爆笑」の〝兄弟コント〟だ。「誰だ?」「お前のアンちゃんだ」「だったら答えてみろ。5+4は?」「2!」といった、仲本さんといかりやさんが兄弟になる設定は多くの人を楽しませた。
天国でもいかりやさんと〝兄弟〟のように語り合っていることだろう。











