「ザ・ドリフターズ」のメンバーでタレントの仲本工事さんが19日、急性硬膜下出血のため亡くなった。18日に横浜市内の交差点で車にはねられ重傷とされたが、容体が急変し、帰らぬ人となった。

 仲本さんは生前、「ザ・ドリフターズというものを残していくのがボクの大事な仕事だ」と話していた。

「何かを聞かれたらしっかり答える。伝えられることは伝えていく。それが使命だと思っている。メンバー全員の名前をこれだけ多くの皆さんが知っているグループというのは貴重だと思うし、DVDが売れたりしているってことは、ボクたちがやっていた『計算されて作り上げられた笑い』を時代が求めているのかもしれないしね」

 どんなときもドリフあっての仲本工事だということを大切にしていた。

 ところで、なぜ「仲本工事」という芸名になったのか。1967年ごろに実はドリフのメンバー全員の名前が変更になった〝事件〟があった。

 当時、一世を風びしていたクレイジー・キャッツのハナ肇さんが「加藤、お前、名前を変えた方がいいな」とまずは加藤英文(ひでゆき)で活動していた加藤名前を「茶」に変えることを提案。「芸能界は水商売。茶なら水に関係があるしな」という理由だった。

 ハナ肇さんはほかのメンバーの名前も「変えよう」と言い出して、「こうじ」だった仲本さんに「漢字の方がいい。工事にしようか」とアドバイス。その理由について、仲本さんは「工事という文字は街中のいたるところで目にするから、子供でもお年寄りでもみんなが読める。なかなかいいじゃないか!」と振り返った。

 加藤茶と異なり、水に関係ないような気がしたそうだが、ハナさんは「お前、工事やるときはコンクリートとか、絶対に水使うだろ」とこじつけたという。国民的バラエティー番組「8時だョ!全員集合」の放送が始まる前の出来事だった。