【ニュースシネマパラダイス】どうも! 有村昆です。昭和、平成を代表する名優の一人、古谷一行さんがお亡くなりになりました。「金曜日の妻たちへ」「失楽園」など数多くの人気作に出演しましたが、古谷さんといえばやっぱり金田一耕助ではないでしょうか。僕も映画版は石坂浩二さん、テレビ版は古谷さんという世代ですし、まさに古谷さんのハマリ役でした。
今回は「名探偵・金田一耕助シリーズ」の第1作でもある「本陣殺人事件」とともに名優・古谷一行さんの軌跡を紹介したいと思います。
本陣というのは、大名や旗本といった身分の高い人が泊まる宿場のことで、いわゆる名家。そこの長男が結婚式を執り行うんですが、初夜に新妻と刀で切られて死亡してるのが見つかります。犯行に使用された刀が庭で見つかるんですが、家屋の周囲は降り積もった雪で囲まれていて足跡もない。日本家屋で起きた密室殺人事件に金田一が挑むというお話です。
タネ明かしは本編に譲りますが、日本家屋って密室になりにくいんです。海外のように石造りと違って障子やふすまなので。それを横溝正史さんがシャーロック・ホームズから着想を得て日本家屋で密室殺人を描いた第1作が、これなんです。人気シリーズとなった要因はストーリーに加え、金田一演じる古谷さんという俳優の素晴らしさ。ひらめきはすごいんだけど、普段は昼あんどんでパッとしない。なんなら髪はフケだらけで汚い格好してます。稲垣吾郎さん、山下智久さん、加藤シゲアキさんといった30人近くの俳優が演じてるんですけど一番汚いです(笑い)。
警部がデタラメな推理をすると金田一が「果たしてそうでしょうか」と投げかける定番のやりとり。のらりくらりやってるけど決めるところはバシっと決める。田村正和さん主演のドラマ「古畑任三郎」の元を作ったのは古谷さんだったかもしれないですね。そういった意味では推理ドラマのフォーマットを作ったと言えるかもしれません。
古谷さんは土曜ワイド劇場「混浴露天風呂連続殺人」にも1982年から25年間にわたって出演。そこで共演したセクシー女優と不倫をするんですね。その謝罪会見で、潔く認めて逆に好感度が上がって。そこからセクシーなオジサマという路線を切り開き「金曜日の妻たちへ」「失楽園」につながっていくんですね。時代もありますが、名優というのはどこか憎めなくて、愛される要素があるんでしょうね。改めて古谷さんのご冥福をお祈り申し上げます。
☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のシネマラボ」で紹介している。












