1970年代から二枚目スターとして映画を中心に活躍し、近年は「警視庁捜査一課9係」「西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ」「おみやさん」などテレビのシリーズドラマでも人気を博した名優・渡瀬恒彦さんが14日午後11時18分、多臓器不全のため都内の病院で死去したことを所属事務所が16日に発表した。72歳だった。兄は名優の渡哲也(75)。渡瀬さんは胆のうがんと闘病しながら、「そして誰もいなくなった」(25、26日、テレビ朝日系)などの撮影に臨んでいた。
渡瀬さんは15年秋ごろにがんが判明し、メディアの取材に対しても闘病中であることを告白していた。昨夏には20年以上にわたって演じた「十津川警部」を降板。「捜査一課9係」は昨年のシーズン11に出演できたが、4月の新シリーズを前に力尽きた。事務所によると、3月からの撮影に向けて準備を進めていたが、2月中頃に左肺に気胸を発症し入院。今月に入り、敗血症を併発していた。
大手広告代理店勤務から東映に入り、70年に「殺し屋人別帳」でデビュー。吉永小百合と共演した78年の主演作「皇帝のいない八月」で評価を高め、翌年の「事件」で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞などを受賞した。「神様のくれた赤ん坊」(79年)と「震える舌」(80年)ではキネマ旬報主演男優賞に輝く。85~86年のNHK連続ドラマ「真田太平記」などテレビでも視聴者を引きつけた。
東映では先輩だった2歳年下の人気美人女優・大原麗子さん(2009年死去)と73年に結婚するも、家庭観の違いから78年に離婚。渡瀬さんはその後に再婚した。
もともと俳優を志しておらず、端正なマスクに兄が日活の人気スターだったことから、東映に口説かれて銀幕の世界へ。日本を代表する俳優に成長し、生命の灯が消えるまで演技への情熱を燃やし続けた。












