米俳優ジョニー・デップから家庭内暴力(DV)を受けたとの主張は名誉毀損にあたるとして、デップが元妻で同女優のアンバー・ハードを訴えた裁判で、米バージニア州の裁判所の陪審は1日、訴えを認める評決を下した。デップは同様の裁判を英国でも起こしたが、そちらは昨年敗訴した。米紙ワシントン・ポストはその理由を端的に解説した。
米メディアによると、7人からなる陪審は同日、ハードが離婚後の2018年、ワシントン・ポスト紙に性暴力をテーマにした論説を寄稿し、その中で「悪意を持って原告の名誉を棄損する意図があった」とし、被告に1500万ドル(約20億円)の損害賠償の支払いを命じた。評決はデップによるDV被害を受けたとするハードの主張を認めなかった。
一方、ハードの証言をもとにデップを「DV夫」と報じた英大衆紙サンの発行元を相手取り、虚偽報道として名誉毀損で訴えた裁判は20年11月、ロンドンの高等法院が報道は「おおむね真実」だとして、原告の訴えを退けた。デップは裁判のやり直しを求めて上訴したが、ロンドンの控訴院は翌年3月、一審を支持し、訴えを棄却した。
基本的な内容が同じ2つの裁判で結果が正反対になった理由について、ワシントン・ポスト紙は米ニューヨークの非営利団体「メディア・ロー・リソース・センター」のジョージ・フリーマン常任理事の分析を紹介した。
フリーマン氏は「答えは単純明快。陪審だから」とし、「つまるところ、英国では裁判官が判断し、米国では陪審によって判断されたこと」とし、司法制度の違いを指摘した。
一方、1日の評決では、「DV疑惑は〝でっちあげ〟」としたデップの法廷代理人による発言は名誉毀損だとして、ハードが1億ドル(約130億円)の賠償を求めたカウンター訴訟について、その主張を認め、デップ側に200万ドル(約2億6000万円)の支払いを命じた。












