泥沼訴訟に司法判断が下った。米俳優ジョニー・デップ(58)と元妻の女優アンバー・ハード(36)が互いを名誉毀損で訴えていた民事裁判で、南部バージニア州フェアファクス郡裁判所の陪審は1日、主にデップ側の主張を認める評決を下し、アンバーに損害賠償計1500万ドル(約20億円)の支払いを命じた。デップによるDV(家庭内暴力)があったとする報道を発端に、英国も含めて法廷闘争を繰り広げてきた両者。デップは裁判の意義を示すコメントを出し、アンバーは失望感を隠さなかった。
評決の場にアンバーは現れたが、デップの姿はなく、会見するデップ代理人は大勢の報道関係者に取り囲まれた。4月11日に始まった裁判は全米にテレビ中継され、大きな関心を呼んでいた。
デップはSNSで「6年前、私や子供たち、支えてくれた人たちの人生が永遠に変わってしまった」と告白。いかなる法的訴えも受けていないのに、虚偽情報などがメディアを通じて瞬時に世界を駆け巡り、悪意の集中砲火を浴びたと振り返った。
この日の評決は「6年たって私の人生を元に戻してくれる」と受け止めた。訴訟を始めるに際して法的なハードルの高さは認識していたが「初めから、結果にかかわらず真実を明らかにすることが目的だった」と法廷闘争の意義を強調した。
デップは、アンバーが2018年に米有力紙で虚偽のDV被害を主張、名誉を傷つけられたとして5000万ドル(約65億円)の賠償を要求。アンバーは逆にデップ側を訴え、1億ドルを求めていた。評決はデップ側弁護士によるアンバーへの名誉毀損行為も認め、デップ側に200万ドル(約2億6000万円)の支払いを命じた。
2人は11年の映画「ラム・ダイアリー」での共演をきっかけに交際。デップは女優で歌手のバネッサ・パラディスとの事実婚生活を解消し、アンバーと15年2月に結婚式を挙げた。16年5月、アンバーが日常的にデップからDVを受けたとして離婚を求め、裁判所がデップにアンバーへの接近禁止命令を出す事態に。16年8月、離婚合意が明らかになった。2人を巡る騒動は世界的なゴシップとなり、行きついた先が法廷の場だった。
デップの「DV」報道は英国でもあり、デップは大衆紙サンを相手取る名誉毀損訴訟を起こし、20年夏にはロンドンで審理が行われた。元夫妻もそれぞれ原告、被告側として一部に出廷した裁判で繰り広げられたのは、下ネタも交じった暴露合戦。ハリウッドスターの虚飾がはがれ落ちるような泥沼化を極めた。
英国の裁判ではデップ側が一審で敗れ、上訴も棄却。米国で一転、勝利となった。
離婚騒ぎの当初から、アンバーの主張には疑問の声が一部で出ており、証拠とする顔にできたあざの写真にも信ぴょう性を疑う指摘がなされていた。敗訴を受けてアンバーはSNSで「今日感じた失望感は言葉にできないものだ。山のような証拠があっても、それと不釣り合いなほどのパワーの前には十分でないことに深く傷ついている」と訴えた。
さらに「この評決が他の女性たちに対して意味することに、より大きく失望している」とも主張した。
20歳以上の「年の差カップル」として、一時は羨望のまなざしを独占したデップとアンバー。15年1月の来日では手をつなぐ姿も見せたが、7年の時が過ぎ、別世界の2人に。前述のように、デップはコメントで「6年前」と悪夢の始まりを記した。この評決で“黒歴史”にピリオドが打たれるのか…。












