有名な兄と比較されても――。元「KAT‐TUN」赤西仁(37)の弟で、歌手兼俳優の赤西礼保(れお=33)が今月、芸能事務所「アルカンシェル」と業務提携した。心機一転、飛躍を誓う礼保は、コロナ禍で苦しんだライブ活動や仁とのホントの関係、誹謗中傷被害を赤裸々に告白した。

 芸能マスコミのインタビューを受けた経験は少ないという礼保。緊張しているように見えたが、自分の言葉で思いの丈を語ることを決心した。

 兄の仁はジャニーズ事務所時代、KAT‐TUNのメンバーとして活躍。礼保はその後を追うように芸能界に飛び込んだ。小規模の事務所を渡り歩き、現在は個人事務所「REDWEST」で、2016年から歌手としても活動している。

 昨年からのコロナ禍で活動は停滞。そんな礼保に救いの手を差し伸べたのは、5~6年前から親交が続くアルカンシェル代表の中野尚美氏だ。

 同氏の夫で〝競輪界のレジェンド〟中野浩一氏とゴルフをした仲でもあり、礼保は「11月から業務提携でやっていこうとなりました」と経緯を明かした。

 コロナ禍前の19年は歌手として全国を回り、20公演を開催。手応えをつかんで迎えた翌20年に猛威を振るうウイルスの壁にブチ当たった。

「コロナの影響で公演が3、4回中止や延期。そのたびに赤字を抱えました。でも、人命が最優先ですからね」

 しかし、年が明けて21年に入っても活動は停滞したまま。1月に東京でライブを計画したが、やはり延期。振替は8月21日に決まったが、そのタイミングも最悪だった。

 新型コロナの感染者数は高止まりし、公演前日の8月20日に全国の感染者数が過去最多となる2万5876人と発表されたのだ。

 悩みに悩んだ礼保は仁にも相談したという。

「兄貴に『ライブやっていいのかな』と。『1人でも来られる方がいるならやってもいいんじゃないの』と言ってくれて」

 周囲の後押しもあり決行に踏み切ったが、当日の会場は空席が目立ち、観客は200人ほど。収支でみれば「真っ赤っ赤」と苦笑いするが、「でも、(観客が)1人来てくれたら、1人のために全力で歌うつもりでした」と悩みつつも公演を完遂してみせた。

 良き相談相手である仁とは「仲が良い」というが、そんな優しい兄と〝比較を超えた声〟にもさらされてきた。

「SNSやDM(ダイレクトメッセージ)で誹謗中傷されます。『才能ないのにまだ活動続けてんだ』『兄は超えられないよね』とか。あとは普通に『死ね』」

 昨今、芸能人に対する誹謗中傷は社会問題になっている。礼保は「反応したら負けだと思ってます。イラっとしますけど」と語る一方、そういった書き込みをする人のことを「不幸せな方」と考え、なんとか自身の気持ちを消化させようとしたという。

 それでも同じ芸能界に身を置く兄を思い、誹謗中傷への〝反論〟を考えたこともあった。

「文章を作ったこともあります。『兄貴に失礼だからやめてくれ』とか。でも、(それを発表するのは)やめた。ただの自己マンだなと。(発表して)自分に賛同してくれる人を探してるようなものですから」

 比較で誹謗中傷されることは、もう「割り切ってます」と礼保。未来を見据え、俳優と歌手の「両軸でできたら」と力強く意気込んだ。

☆あかにし・れお 1987年12月11日生まれ、千葉県出身。身長172センチ。2008年から俳優として舞台「飛行機雲」、映画「渋谷」などに出演。16年から歌手活動を開始した。22年にはミュージカルに主演予定。趣味はドライブ、サッカー。