アイドルグループ「SKE48」の須田亜香里が31日に30歳の誕生日を迎えた。AKB・柏木由紀に続いて48グループ2人目の30歳メンバーとなった須田に今の思いを聞く「30歳記念インタビュー」を2回にわたってお届けする。前編ではアイドル活動、グループへの思い、卒業について率直な気持ちを語った。

【SKE48・須田亜香里 三十路インタビュー・前編】

 ――10月31日で30歳の誕生日を迎える

 須田 30歳までアイドルを続けるとは思っていなくて。私は高校3年生の11月1日にオーディションに合格してSKE48に入ったんです。そのときは「1、2年やれたらいいな」ぐらいの感じでした。自分がどんな感じでアイドル界で存在できるのか、試してみたいという好奇心が大きかったです。

 ――長く続いた理由は

 須田 負けず嫌いと頑固。そういう部分かなと思います。あと欲張りなところもすごく大きいかな。このグループは常に人と比べられてしまう環境にあるんですけど、みんなゴールの目指し方が違う。どうやって目標を達成できるか考えながら、攻略していくことが自分には向いてました。そしてSKE48が本当にいいグループだということ。そこにつきます。居づらいなと思うグループだったら、とっくに辞めてたと思うし、SKEという環境が自分に合っていたというのもあります。ファンの方も「アイドルとはこうあるべきだ」というよりは、人として応援してくれてる。そういう方たちに巡り合えたからこそ、頑張ってこれましたね。

 ――SKE48の良さとは

 須田 時代によって魅力は変わってきてます。最初の頃はザ・体育会系でメンタルから鍛えてくれるダンスの先生もいらっしゃいました。それは今もマインドとして残っている。それに加えて年々増してきているのが、メンバー同士の家族感。以前は(メンバーは)ライバルという感じも強かったけど、この数年でライバルよりも、仲間であり家族でありというより温かい存在にそれぞれがなってきて、高め合えている。いい感じに体育会系でいい感じに仲良し。バランスがとても取れているんです。

 ――2019年にSKE48の運営事務所がAKSから株式会社ゼストに変わったことも大きい

 須田 アイドル人生だけでなく、その先も一緒に考えてくれるスタッフさんがすごくいる。(SKE48を卒業した後に)この会社に就職したメンバーもいる。辞めたからサヨナラじゃなくて、SKE48になったからには一緒に家族として将来のことを考えてくれる。私も将来のことを相談すると、親身になってくださるので安心しますね。

 ――最新シングル「あの頃の君を見つけた」では12歳のセンター・林美澪の隣で歌っている。18歳差のメンバーの隣というのは

 須田 意外と違和感なくやらせてもらっていますね。もちろん画面に映ったときの若々しさなど年齢の違いを感じることはありますけど、美澪はプロとしてステージに立っているメンバー。年の差を感じさせない立ち振る舞いだったり、プロ意識があるので、歳の差はビックリするほど感じないですね。それは美澪だからかなって思います。SKE48に新しい風を吹き込んでくれたので感謝です。真ん中にフレッシュな期待の象徴が立っていてくれると、SKE48の変化や新しさを実感させてくれるので、ありがたかったです。

 ――12年間アイドルをやってきて良かったことは

 須田 自分を好きになれたこと。自分を認められたことですかね。アイドルになったばかりのころはどのメンバーも壁にぶつかると思う。みんなかわいいし、みんなすごいから自信を失うんですよね。みんなの方がすぐれてる部分を見つけて落ち込む。自分はダメだダメだと思いながらやってきたけど、総選挙だったり、何度も壁にぶち当たる中で生き方を見つけたというか。全然魅力的じゃない自分を好きでいてくれる人はこんなにいるんだとか。今、応援してくれているファンの方に出会えたことも、アイドルになってよかったなと思っています。ずっと変わらず愛してくれて、人として見てくれる方がファンの方に多いので、今後も自分の人生において大切なことを教えてくれるのはファンの方なんだろうな。アイドルでいるうちのファンの人という出会いではなく、これからも何らかの形で恩を返せて行けたらと思う存在。そういう人たちと出会えたのはすごいと思います。長くやってきたからこそ芽生えた気持ち。信頼関係がすごいですね。

 ――30歳を迎えるにあたって卒業のことも考える

 須田 はい、どうやって卒業できるだろうかというのは、いつも考えてます。どのように卒業するのが自分にとってもグループにとってもきれいな形なのかっていうのは、このグループにすごく恩があるからこそ考えてます。卒業するときに後輩のみんなが幸せだといいなと思う。アイドルでいられる楽しさ、幸せを後輩たちにもっと味わってもらいたいんです。かわいい衣装を着られることだったり、ファンの方に愛し愛される、そんな空間ってすごく幸せだと思うので、その楽しさをもっと味わってほしい。アイドルになってよかったとみんなが思ってくれるような。頑固に夢にこだわればかなうことはこんなにあるんだというのは、伝えたいなと思っています。