東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数は、多少下落傾向にあるものの、依然として高い水準にある。そうしたなか芸能界では、テレビ局の感染対策に疑問の声が上がった。特に批判されているのが8月28、29日と2夜連続で放送されたフジテレビ系の「FNSラフ&ミュージック~歌と笑いの祭典~」。感染対策など関係ない、と見られても仕方がない演出が目立っていたというのだ。

 東京都は8月31日、新型コロナウイルスの感染者が新たに2909人報告されたと発表した。直近7日間を平均した1日当たりの新規感染者は3520・7人に減少し、前週比は75・9%となったが、依然として感染者が多い状況に変わりはない。

 芸能界でも、8月は感染者が目立った。俳優・千葉真一さん、落語家・三遊亭多歌介さんがコロナに感染して死去。さらに俳優・佐々木蔵之介、アイドルグループ「ABC―Z」の橋本良亮、AAAの宇野実彩子、女優・髙橋ひかる、綾瀬はるかが感染した。

「髙橋は感染を恐れて、ものすごくコロナ対策していた。もともとインドア好きとは言われているけど、最近はホントに仕事の現場と家の往復しかしていなかったのに感染してしまった。デルタ株は脅威としか言いようがない」(テレビ局関係者)

 とりわけ目立っているのは、お笑い芸人の感染だ。「くりぃむしちゅー」の上田晋也や陣内智則など、売れっ子芸人の感染が続いている。

「ほかにもレイザーラモンRG、『南海キャンディーズ』の山崎静代、『ティモンディ』の高岸宏行なども感染した。正直言ってテレビ局の感染対策は、かなりいい加減。局に行く機会が多い売れっ子タレントほど感染しやすいのは間違いない」(芸能プロ関係者)

 ワイドショーなどでは最近、リモートでの出演も増えてきているが、バラエティーではそういう動きがほとんどない。

「出演者の間にアクリル板を設置しているけど、相変わらずマスクはしてないし。それにロケなどでは、よくフェイスシールドを付けたりしてるけど、フェイスシールドはマスクより感染防止力が弱いと知られている。とても感染対策ができているとは思えない」(同)

 8月28、29日と2夜連続で放送されたフジテレビ系の「FNSラフ&ミュージック~歌と笑いの祭典~」では、笑福亭鶴瓶が隣に居た中居正広に立って話しかけ、アクリル板より顔が上にあったため、松本人志から「立ったらアカン!」と注意される場面も。さらに鶴瓶は、お土産に持ってきた豚まんを食べてしまった。

「出演者だけで約10人いたのに、さすがに飲食はまずいでしょ」(同)

 さらに「爆笑問題」が登場した場面では、松本と中居が立ち上がり、太田光と田中裕二に絡んでいってしまった。

「生放送のうえ出演者はみんな大物。現場で何をやっても、スタッフは誰も止められない。企画に問題があったとしか言いようがない。『コロナ対策はどうなってるんだ?』と言われたら、番組サイドは誰も反論できないのでは」(同)

 さらに他局の民放関係者はこう話す。

「あれだけ大物芸人を集めた特番でああいうことをやったら、他のバラエティーでも『やっていいんだ』ということになる」

 気の緩みに繋がらなければいいが…。