参議院の広島選挙区再選挙が25日に開票され、野党共闘の支援を受けた新人の宮口治子氏(45)が自民党の新人・西田英範氏(39)を上回り、初当選を確実にした。

 今回の選挙は、夫の河井克行被告(57)とともに買収目的で地元議員ら94人に総額約2900万円を配った河井案里前参院議員(47)が当選無効となったことで行われた。それだけに政治の「クリーンさ」が争点となる選挙で、両陣営の党幹部が次々と現地入りする激戦となったが、またしても身内の自民党がヤラかしていた。
 
 自民党幹事長代行を務める野田聖子衆院議員(60)がこの日午前2時過ぎに自身のツイッターを更新。「#参議院再選挙広島選挙区#西田ひでのり候補の応援で、#衆議院議員小林史明議員と福山市に参りました。たくさんの方にお集まりいただき、本当にありがとうございました。皆さんの貴重な1票をぜひ西田ひでのりさんに託してください! #野田聖子」とつづったのだ。

 公職選挙法では、投票日当日の選挙応援は禁止されている。これを堂々と破るツイートに、ネット上では「カネで票を買った選挙の再選挙なのに、何を考えているんだ」「結局、自民党は変わる気がないってことね」といった非難が殺到。慌てて? 野田氏のツイートは削除されたが、多数のユーザーがスクリーンショットを保存しており、火に油を注ぐ格好となった。

 野田氏は2017年から18年まで選挙を管轄する総務相を務めており「自民党の中でまともに見える野田聖子ですら公職選挙法の知識がこの程度なんだから、ほかは推して知るべしだよな」といった指摘も。それを裏づけるかのように、18年に企業と会食した野田氏が高額の手土産を手渡されたという疑惑も報道されている。

 さらに自民党では、選挙区内で香典を渡して「起訴相当」となった元経産相の菅原一秀衆院議員(59)が、選挙区内の夏祭りなどに「祝儀」として現金を複数回にわたり手渡していたという新たな疑惑が報じられたばかり。それも影響してか、この日行われた国会議員の選挙は、広島に加え北海道、長野と野党の3戦全勝に終わった。

 コロナ禍で未来を見通せない有権者が増える中、自民党は与党としての姿勢を問われる状況が続きそうだ。