小池都知事VS飲食店は法廷闘争へ 時短要請を拒否せざるを得ない苦しい事情

2021年03月22日 11時30分

時短命令は小池都知事のパフォーマンスと批判されたが、法廷闘争に

 東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県で1月に発令された緊急事態宣言が22日、約2か月半ぶりに解除された。この4都県は飲食店への営業時間の短縮要請を1時間緩和し、午後9時までとするが、解除直前には東京都の小池百合子知事(68)が時短要請を拒否した飲食店に同8時以降の営業停止を命じる騒動もあった。今後も営業時間の制限が続く飲食店は、厳しい状況が続く中、コロナ禍の飲食店事情を専門家が明かした。

「ラ・ボエム」や「権八」などを展開する外食大手の「グローバルダイニング」は緊急事態宣言が解除される間際となる18~21日の4日間、小池都知事から午後8時までの営業時間厳守の時短命令を言い渡された。

 命令違反が確認されれば30万円以下の過料が科せられる。同社は営業時間を午後8時までとしたが、命令は違法だとして、22日にも都に損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こすと発表した。

 代理人の倉持麟太郎弁護士は「時短要請に応じなかった店舗は他にも多くあるのに、グローバルダイニングだけが狙い撃ちにされた印象だ。都がどのような経緯で命令対象を決めたのかも訴訟で明らかにしたい」と小池氏のパフォーマンスともいわれた時短命令を問題視する。

 飲食店に特化したコンサルティングを行う、株式会社スリーウェルマネジメントの代表取締役・三ツ井創太郎氏は、時短要請に従わない飲食店についてこう話す。

「お店を深夜まで営業していることが感染拡大につながっているという意見などもありますが、やはり家賃が高いお店とか、お店が大きいところではとてもじゃないが時短営業の協力金だけでは足りていないというのが背景にある。店舗数が多い企業とかは、感染拡大を防いでいかなければいけないけれど、経営状況を考えると営業せざるを得ないという状況でもある」

 協力金の金額は緊急事態宣言の間は1日6万円だったが、解除後は1日4万円となる。大企業も対象になっているが、事業規模に応じて協力金が決まるのではなく、引き続き一律の金額となっていることに対して、飲食業界の中で大きな不満が起こっている。

 それでも、ほとんどの店が時短要請に従っている。三ツ井氏は「個人店にとっては、協力金は経営を継続していく上ではすごく大きな補助となっている。また、飲食店では学生のアルバイトが多い。そうしたなかで、時短要請が出ているにもかかわらず、深夜まで営業を続け、アルバイトを働かせると親御さんのご理解が得られにくくなるという部分で要請に従っている店は多い」と明かす。

 小池都知事は感染対策として夜の街や外食に出かけることを控えるように呼び掛けており、今回も飲食店に対し、厳しい“取り締まり”を行った。時短命令は緊急事態宣言下でしか出せないが、小池氏の飲食店に対する強い姿勢は今後も続くとみられる。

「感染の原因がすべて飲食店のせいというような言い方をされてしまうと、飲食店の方々はすごくつらい。今は、ほとんどのお店が席を離したり、ついたてを設置したり感染対策を行っている」(三ツ井氏)

 飲食店が通常通りに営業できる日はいつになるのだろうか。

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