令和元年初日にデビューして1年――。セカンドシングル「君を求めて」を7月1日に発売する歌手の新浜レオン(24)が、本紙の単独インタビューに秘話を明かした。昨年末「第61回日本レコード大賞 新人賞」を受賞し、さらなる飛躍を期するはずが、新型コロナ禍でまさかの〝急ブレーキ〟。だが、新浜は前しか向いていない。なぜならプロ野球・福岡ソフトバンクホークスにいる〝相棒〟との約束があるからだ。

 今回の新曲は、キャッチーなメロディーと新浜の伸びやかな声が絶妙にマッチした作品に仕上がった。作曲はヒットメーカー馬飼野康二(まかいの・こうじ)氏。イントロから圧倒されるサウンドで、リスナーは一気に〝新浜ワールド〟に引き込まれる。

「馬飼野先生から言われたのは『新浜君の最も気持ちいい声を抑えること』。気持ちいい声で歌うのが一番良い気がしますが、逆に抑えることで気持ちがこもる。確かにリズムに合わせたとき、自分の声が引き立つんですよ。冒頭の『君を~君を~求めて~』もインパクトがありますし、ぜひ聞いてもらいたい一曲になりました」

 新元号の幕開けとともにデビュー。毎日のようにテレビ、ラジオ、イベントなどプロモーションを精力的にこなしてきた。昨年12月には日本レコード大賞新人賞も受賞し、今年47都道府県を回るプロジェクトが予定されていた。だが、コロナ禍ですべてキャンセル。もどかしさは募ったが、気持ちを切り替えた。

「今しかできないことをやろうと思いました。例えば生活リズム。これまでは不規則でしたが、朝7時に起きて夜11時に寝る。三食しっかり取る。すると、食後何時間後なら声がよく出るなど、ノドの調子がわかるようになったんです。これは収穫でしたね」
 何より痛感したのは、ファンの存在が大事だということ。最近、数か月ぶりにマイクを握ったが、スタッフから「眉間にシワが寄っているぞ」と指摘されて焦ったとか。

「ファンの前に立つことが、いかに自分にプラスになっているかわかりましたね。パフォーマンスが全然違いますよ」
 9月には2度目のコンサートが予定されているが、どうなるか見通せない。それでも「できる準備をするしかありません」と前向きだ。

 小学校から高校まで野球に打ち込んできた。夢はプロ野球選手。高校ではキャプテンを務め、ポジションは捕手。当時から歌うことが大好きで「円陣を組んだときに山本譲二さんの『みちのくひとり旅』を歌って盛り上げてました」と笑う。甲子園の夢はかなわず、千葉県ベスト4にとどまったが、歌手の道を志すきっかけになった。実は、その時バッテリーを組んでいた〝相棒〟が、福岡ソフトバンクホークスの重田倫明投手(24)だ。

「育成枠で入ったんで、僕と同じようにまだまだこれから。でも、最初の夢をかなえてくれたんで、自分としてもうれしかったです。僕がプロの歌手でデビューしたとき、重田はビックリしていましたが、まあ歌好きなのはよく知っているんで(笑い)。それぞれの道で頑張ろうと励ましあっています。最初のコンサートを開催したとき、わざわざ花まで送ってくれましたし、レコ大の新人賞を取ったときは、真っ先に連絡くれたんですよ」

 苦楽をともにした〝戦友〟は新浜にこんなオファーをしているという。

「オレが支配下選手になったら、レオンの曲を登場曲に使うから」

 ファンのため、そして重田投手のためにも、立ち止まるわけにはいかない。