東京・北区の都議補選(7月5日投開票)が26日告示され、女性候補5人による前代未聞の争いとなった。北区といえば、ディープタウンで知られる赤羽を擁するエリア。この多彩な顔触れの選挙戦をどう見ているのか。〝センベロの街〟として有名な飲み屋街で緊急アンケートしてみたところ…。 

 自民党の山田加奈子氏(49)は前区議で、議長まで上り詰めた地元の星だ。公明党の推薦も得て、第一声には西村康稔経済再生担当相(57)が応援に駆け付け、演説会場は3密状態になりかけながらも、お構いなしで気勢を上げた。

 公明党に〝裏切られた〟格好となった都民ファーストの会だが、最高顧問の小池百合子都知事は黙っていなかった。元タカラジェンヌで、自らの秘書を務めていた天風いぶき氏(35)を擁立。

 白パンツに都ファのイメージカラーであるグリーンジャケットが映え、すでにしぐさやたたずまいは新人候補らしからぬ貫禄だ。「応援演説には行かない」と宣言している小池氏だが「娘のような存在」ともいう秘蔵っ子だけに、緊急サプライズ参戦もありそうだ。

 立憲民主党が送り込んだのは元北区議で〝筆談ホステス〟の斉藤里恵氏(36)。昨年の参院選にチャレンジしたものの落選したが、「細かな声を拾っていきたい」と再度、地元から挑戦。共産党の支援も受け、第一声には蓮舫氏(52)や小池晃氏(60)も駆け付けた。

 日本維新の会が擁立した佐藤古都氏(32)は障害者支援の会社に勤め、音喜多駿氏(36)が率いる地域政党「あたらしい党」に所属。地元では名前が売れ、選挙ポスターには人気急上昇中の吉村洋文大阪府知事(45)とのツーショットで抜かりはない。

 告示3日前に電撃参戦したのはホリエモン新党の新藤加菜氏(27)。ネットで絶大な人気を誇る美女配信者で、28日から張り出す予定の選挙ポスターは、なんとアベノマスクをブラジャー代わりにした〝アベノマスクブラ〟姿を披露する。

「若くて、チャラついたのが出てきたと思われるかもしれないけど、立候補しちゃいけないんですか? おかしいことはおかしいと言いたい」と若者層の代弁者となりたい構えだ。

 これだけの多士済々な顔触れで、有権者も目移りしそう。実際に候補者5人の写真を見た赤羽の有権者は〝女の戦い〟に興味津々だ。

 18歳を迎えたばかりという高3男子は「新藤さんはかわいいし、何かムニュってしてそうで好き!」「早大卒なんですか? 家庭教師してほしいです!」と、その色気にメロメロな様子。

 赤羽一番街商店街で昼からほろ酔い加減の70代男性は「佐藤さんも斉藤さんも新藤さんも、みんなかわいくて、もう好きんなっちゃう!」と言って、コップいっぱいの焼酎をグビッとあおる。

〝女の戦い〟とあって男性有権者たちがその容姿に目がいきがちなところ、60代女性はどこか冷めた様子で「女の戦いって結局、政策じゃなくてお祭りになってるじゃない! こういうときは自民党が一番堅実なのよ」。男性有権者とは違うリアリストな一面を見せた。

 そのほか、最も多かったのは「10万円の給付金を出してくれ!」というもの。結局、何だかんだ言って有権者は現金なのかもしれない――。