今季の躍進を〝まぐれ〟で終わらせるわけにはいかない。西武が20日から本拠地・所沢の球団施設で秋季練習をスタートさせた。

 交流戦では球団史上初となる優勝。昨季まで3年連続でBクラスに低迷したが、2位でペナントレースを終えてCSにも出場した。ファーストステージで3位の日本ハムに足をすくわれたものの、昨季の借金14から貯金19まで巻き返した2年目の西口文也監督(54)が「強い西武」の復活を印象づけたことは確かだ。

 その一方、さらに上にある「優勝」をかなえるためには、チームとしてもう1段階レベルアップしなければならないことも事実。79勝60敗4分けの成績は、セ・リーグを連覇した阪神の79勝62敗2分けに匹敵する。しかし、パ・リーグを制したソフトバンクは実に91勝(49敗3分け)を挙げ、貯金は「42」に上った。西武は2位だったとはいえ、11・5ゲーム差もつけられた。

 しかも昨季83勝を挙げた日本ハムも2位。近年のパ・リーグは80勝が〝優勝ライン〟と呼べなくなり、実質的に90勝前後が必要となり、ソフトバンクは2015年以降、実に4度も大台を超えて優勝を飾っている。

 今年のCS敗退時には、広池球団本部長も「ソフトバンクさんは、年間143試合というわけではなく、日本シリーズまであることを念頭にチームづくりをしていた」と自軍との〝差〟を認めていた。143試合をゴールに設定せず、その後のポストシーズンを勝ち抜くためには年間150~160試合を想定した体力づくりをする必要もある。

 チームはシーズン終盤の9月に8勝11敗1分けとブレーキがかかり、ラストスパートをかけられなかった現実も横たわる。奥村球団社長も「最初から2位を目指しているチームはどこにもない」と躍進だけに満足することはなかった。ならば、さらなるフィジカル強化は必至といえそうだ。

 西口政権は球団史上ワーストの91敗を喫した翌25年に発足。5位、2位と着実に順位を上げてきているが、来季は勝負どころでも息切れせず、差し切れる体力が求められる。