混迷を極める巨人の次期監督問題に大胆提言だ。今年5月末から指揮を執った橋上秀樹監督代行(60)は退任が濃厚。後任に元監督の高橋由伸氏(51)や松井秀喜氏(52=ヤンキースGM付特別アドバイザー)、阿部慎之助前監督(47)らが候補に挙がるが、20日までに正式発表には至らなかった。そうした中、本紙専属評論家の伊原春樹氏は超異例となるあの現役スター選手を猛プッシュした。
【伊原春樹「新鬼の手帳」】慎之助(阿部前監督)の電撃辞任という異例中の異例の出来事があった中で、阪神に次ぐリーグ2位。橋上監督代行はよくやったと思う。森下、佐藤、大山と強力な打線を擁する阪神を相手に、巨人側は投手陣をうまくやりくりして食らいついていった。投手陣の総合力だけを見れば、阪神にも負けず劣らずの力があった。うまく運用できたのも、橋上監督代行の経験と知恵があってこその結果だ。
注目を集めるのは、次の監督候補。個人的には慎之助もいずれは現場に戻って、またもう一度監督のチャンスを与えてやってほしいと思う。世間の声からすれば、すぐに復帰というわけにはいかないだろうから、それまでは評論家としてまたグラウンドの外から野球を勉強したり、フロントの仕事をして、新しい視点から野球を見ることも大事。再び指揮を執る頃には、野球人としてさらに成長した姿を見せてほしい。
そうなると、次の監督に関しては、私は(坂本)勇人しか適任はいないと断言する。原元監督のもとで数々の修羅場をくぐり抜け「巨人軍の監督とは何たるか」をそばでずっと見てきた。ちょっとやそっとのことでは動じないメンタルも併せ持っているし、原元監督の帝王学を誰よりも知っている男だ。
後輩の若手選手たちからも人望があるのはもちろん、先輩選手、OBたちからの信頼も厚い男。もし監督をするとなれば、チームを離れている先輩やOBたちでさえも、彼を支えるために間違いなくチームに戻ってくる。「巨人の顔」である勇人にはそれだけの魅力があるし、新しいチームをつくっていく力がある。
まだ37歳と若い。それゆえにたとえ一度失敗したとしても、5年後、10年後と再び指揮を執るチャンスがあるはず。あの由伸でさえ、最初はうまくいかなかった。はじめからうまくいく監督などひと握り。未来を担う指導者として勇人に経験を積ませることも必要だ。
まだ現役を続けたいのであれば、兼任監督でもいいと思う。チームは首脳陣、選手ともに若返りが進んでいる。少ない候補者の中から無理やり監督を選ぶよりも、独自の野球観と非凡なセンスを持つ勇人に任せるほかない。私はそう強く願う。(本紙専属評論家)
【兼任実現なら1950年の水原茂以来】今季がプロ20年目だった坂本は67試合に出場して打率1割7分5厘、5本塁打、19打点の成績だった。5月13日の広島戦(福井)では通算300号を劇的なサヨナラ3ランで決め、9月18日の中日戦(東京ドーム)では長嶋茂雄の通算安打記録(2471安打)も塗り変えた。
今季終了時の2474安打は現役最多で、歴代でも単独9位。今月11日にCSファーストステージで敗退した際には、今季を「最後までなかなか力になれなかった」と振り返り、来季に向けて「ふがいなかったので、しっかり考えてやっていきます」と話した。
巨人の兼任監督は1950年の水原茂が最後。2000年以降では古田敦也が06、07年にヤクルトで、谷繁元信が14、15年に中日で務めている。〝坂本兼任監督〟が誕生すれば巨人で実に半世紀以上ぶり、21世紀初の超異例人事となる。














