西武の「秋」は終わった。しかし球界屈指の右腕を巡る〝争奪戦〟は、これから熱を帯びるかもしれない。12日の日本ハムとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦(ベルーナドーム)に1―4で敗れ、1勝2敗で敗退。チームが終戦を迎えた今、最大の関心事の一つが、ポスティングシステムによるMLB挑戦の可能性がある西武・平良海馬投手(26)の去就だ。米球界では総額1億5000万ドル(約237億円)規模の評価も浮上している。

 平良は2018年のプロ入りから先発、救援の双方で実績を重ね、一軍通算111ホールド、62セーブ。先発を務めた23年は11勝、今季は12勝を挙げ、ともに規定投球回に到達した。今季は146回を投げ、パ・リーグで唯一の1点台となる防御率1・36で最優秀防御率のタイトルを獲得した。

 MLBスカウトから高く評価されているのは、先発、リリーフ双方への適応力に加え、多彩な球種の制球力だ。最速160キロの直球に加え、140キロ台後半のスプリットやカットボール、スイーパーを駆使。一軍通算の奪三振率も9・43と高く、米球界から熱視線が注がれている。

 今季、平良を複数回視察したMLBスカウトは「仮に獲得オファーを出すのであれば(一般的には評価額が高い)先発としてのオファーをせざるを得ない。MLBでも先発の3、4番手クラス。1年単位で2000万ドル(約31億6000万円)規模のオファーとなると思う」と見立てる。

 かねて米球界志向を持つ平良が今オフに移籍市場へ出れば、MLB球団による争奪戦が予想される。米球界関係者によると、想定される条件は年平均2000万~2500万ドル(約31億6000万~39億5000万円)、契約期間5~6年。条件次第では総額1億5000万ドル(約237億円)に達する計算だ。

 ただし、ポスティングには西武の容認が欠かせない。12日の試合後、広池浩司球団本部長は平良について「戦力としては当然、代えのいない選手」と評価する一方、本人の米球界志向も踏まえ「しっかりと折り合いをつけたい」と述べるにとどめた。シーズンを終えた球団がどう判断するか。26歳の右腕を巡るオフの動向から目が離せない。