錦織圭(36=ユニクロ)の人気は絶大だ。ジャパンオープンテニス1回戦(1日、東京・有明)で、元世界ランキング4位の錦織は、現在同8位のフランシス・ティアフォー(米国)に4―6、4―6で敗戦。現役最後の公式戦は悔しい結果となった。

 平日木曜の昼下がりにもかかわらず、スタンドは超満員。有明コロシアムの外に併設されたパブリックビューイングには、チケットを確保できなかった大勢のファンが詰めかけ、最後の勇姿を見守った。地面を埋め尽くすように人々が腰を下ろす様子は、異様な熱気に包まれた。錦織の初戦が組まれる可能性のあった前日9月30日も、昼夜のセッションともにチケットが完売するなど、その存在感の大きさは際立っていた。

 会場内のWOWOWブースには、ファンが錦織への思いをつづったカードが掲示板いっぱいに並ぶ。同社の担当者は「例年はこのようなボードは出していない。うちとしても最も縁のある選手、今大会は特別」と語り、「(9月28日から)4日間で4000枚を超えるメッセージが寄せられた。大会を通して1万枚を超える予想」と当初の想定を上回る大反響に目を丸くした。

 続けて「(参加してくれたファンは)老若男女問わずという印象で、幅広い世代の方に愛されていることが分かる。メッセージは感謝のにじみ出ているものばかり」と明かした。

 さらに、錦織の活躍は同局の歩みにも影響を与えたといい「テニスは試合時間が長く、スケジュールを読みづらいスポーツ。『テニスは編成泣かせのコンテンツ』という社内の認識が、活躍を受けて『テニスはWOWOWの看板番組』という意識に変わっていった。『WOWOWといえばテニス』というイメージを構築できたのも彼の存在が非常に大きい」と最大の感謝と敬意を表した。

 最後までファンをひきつけてやまなかった希代のスター。本人は「さらに日本のテニスが強くなっていけるようにどこかでサポートしたい」と思いを口にしていただけに、ラケットを置いた後の去就にも大きな注目が集まる。