「こっちが自信喪失するほどヤバかった」

 俳優仲間にそう言わしめたのは女優の三浦透子(29)だ。

 2021年公開の映画「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)で寡黙な運転手役を演じ、第45回日本アカデミー賞で新人俳優賞を受賞。同作は第74回カンヌ国際映画祭で日本映画初となる脚本賞を含む3部門を制した。直近ではネットフリックスで配信された「地獄に堕ちるわよ」で、戸田恵梨香演じる細木数子さんにハメられた島倉千代子さん役を演じて話題となった。

 大作の実績も十分な三浦だが、この夏没頭しているのは一人芝居「プライマ・フェイシィ―私の声を聞いて―」だ。7月1日の東京公演を皮切りに、8月15日まで群馬、福島、茨城、大阪、兵庫の6県で35公演を行った。東京公演は老舗の小劇場「ザ・スズナリ」で開催。この評判がすさまじい。

 観劇した芸能プロマネジャーは「圧巻の演技。三浦さんが演じる役はそれぞれ情景が浮かんだ」と証言。同行した俳優は観劇後、冒頭の言葉を残した。

鮮やかな黄色のドレスを着る三浦透子
鮮やかな黄色のドレスを着る三浦透子

 素人目では、大作への出演歴もある女優がわざわざ100人規模の小劇場、それもセリフも膨大な一人芝居に挑戦すること自体に疑問を感じる人もいるだろう。多くの役を演じたからといってギャラが倍になるわけでもない。これに前出マネジャーが苦笑する。

「CMなんかに比べるとコスパが悪いのは事実(笑い)。でも俳優は一生に一度は一人芝居をやってみたいと思うんだよ。自分にしかスポットライトが当たらないし、最後のカーテンコールはアドレナリンが出まくり。その快感は一人芝居でないと体験できない。同行させた俳優も『いつか私も…』とやる気を出していた」

 大作映画や制作費ウン十億円のドラマだけが全てではないのだ。