元俳優・前山剛久が7月31日、初のオリジナル3曲入りデジタルシングル「lovesong」を各配信ストアでリリースした。全曲の作詞を担当し、作曲にも携わった意欲作。俳優として培った表現力を、今度は音楽という形で世に送り出す。

 収録曲は「lovesong」「you’re gone」「kiss me」の3曲。希望、喪失、恋愛という異なる感情を軸に、一人の人間が苦悩を乗り越えながら前へ進む姿を描いた作品群だ。

 前山が本格的に音楽活動へ踏み出したきっかけは、約2か月前から力を入れ始めたTikTok LIVEだった。弾き語りやカラオケ配信を続ける中、リスナーから温かい反響が寄せられ、「オリジナル曲を聴きたい」という声が後押しになった。

「俳優として活動していた頃から、自分自身の楽曲をリリースすることが夢でした。でも、その夢は道半ばで終わってしまった。だからこそ今回は、もう一度音楽と真剣に向き合い、叶えられなかった夢へのリベンジという思いで制作しました」

 好きなアーティストはL’Arc~en~Ciel、keshi、BIGBANG。中でも最も影響を受けた存在としてhydeの名前を挙げる。一方で「目標としているアーティストはいません」と語り、自分自身の人生や経験を音楽で表現することに重きを置く。

 初めて購入したCDは、アニメ「HUNTER×HUNTER」のオープニングテーマとして親しまれたKenoの「おはよう。」。愛読書はシェイクスピア作品で、人間の心の機微や感情表現は歌詞を書く上でも少なからず影響を受けているという。

 作詞を始めたのは約5年前。俳優を辞めた時期だった。

「苦しかった時期だからこそ、自分の気持ちを書き残したいと思いました。その時の感情が、今回の作品にもつながっています」

 これまでに制作したオリジナル作品は、今回収録された3曲のみ。まさにアーティスト・前山剛久としての第一歩となる作品だ。

 ボーカルは俳優時代、ミュージカル出演をきっかけに約3年間レッスンを受講。ギターは学生時代から約20年間続け、現在も弾き語りを中心に演奏している。舞台では演技の一環としてダンスも経験。DTM(デスクトップミュージック)については「昔、遊びで触っていた程度」と笑うが、その経験も楽曲制作に生かされた。

 歌詞では「real」と「mental」、「melody」と「story」、「memory」と「remedy」など、耳に残る韻を随所に配置。メロディーとの一体感を意識した言葉選びが印象的だ。

 さらに「kiss me」では、「恋では済まされないよ」というフレーズが「故意でも済まされないよ」へと変化する。同じ「こい」という響きを持つ同音異義語を用い、恋愛感情から主人公の覚悟や意思へと変化する心情を巧みに描き出した。

 前山は「この3曲には、これまでの人生で感じてきた葛藤や喜び、喪失、そして愛への想いを詰め込みました。飾った言葉ではなく、自分が本当に感じてきたことを書いています。意味だけではなく、言葉の響きやリズムも大切にしました。韻を踏むことでメロディーとの一体感が生まれますし、『恋』と『故意』のように、日本語ならではの面白さも表現したかった。何度も聴いていただき、歌詞にも新しい発見をしてもらえたらうれしいです」と制作へのこだわりを明かした。