12日に閉幕したボートレース戸田のGⅡ「第8回全国ボートレース甲子園」は大峯豊(42=山口)が3カドからまくって優勝した。ボートレースファン歴48年の元天才ジョッキー田原成貴(67)は今大会も初日からレースを観戦。超抜エンジンを生かし切った大峯を、競走馬とジョッキーになぞらえ、その手腕を絶賛した。
【水面の残像】長らくボートレースを見てきて感じることがある。それは前検日に「好素性機」「超抜エンジン」と言われながら、最後まで能力を引き出せずに終わるパターン。自分のペラ調整力、整備力を悔いる選手を幾度も見てきた。しかし、大峯選手はちょっと違う。整備巧者と言われるだけあって、いいエンジンを引いたら高い確率でポテンシャルを発揮させるレーサーなのだ。
今大会はその象徴だ。前評判の高い12号機を引き当てた前検日、早くも伸びに手応えを感じていた大峯選手はレースですぐに本領発揮した。初日1R、スリットを越えてからジワジワと出ていく足を見て私は「やっぱり出ているな」と感じたが、後半9Rはもっとインパクトがあった。3カドから強烈な伸びを見せてまくり勝ち。このレースを見て、私は「本物だ」と確信した。
同時に大峯選手の整備力にも驚かされた。いいエンジンをちゃんと光らせる。簡単のようで難しい。例えば同期の毒島誠選手は艇界屈指の旋回力を武器にしているが、大峯選手は間違いなくエンジン出しの名人だ。「オレはエンジンを出してナンボの男」というプライドすら感じる。
スタート(S)の精度も見上げたものだ。エンジンが超抜に出ている時は、得てしてSが怖いもの。あまりにスリットで出ていくから、逆にSを控えて遅れるパターンもよく見る。しかし、今大会の大峯選手はどうだ。予選からトップSを連発し、優勝戦は0台が4艇もいた中でコンマ04のトップS。この精度、そして度胸も優勝できた大きな要因ではないだろうか。
準優戦を制した大峯選手はインタビュアーに1Mのターンを聞かれ「僕じゃないですよ。12号機が連れていってくれますので」と笑みをこぼした。競馬の世界も同じだ。ジョッキーが「馬が勝手に走ってくれる」「馬の邪魔をしなければ大丈夫」と感じている場合、まず間違いなくいい結果が出る。騎手が馬を信頼しているから、馬はいいパフォーマンスができる。要するに人馬ともに迷いがない状態なのだ。今回の大峯&12号機にも、その最高潮の雰囲気を感じた。
3カドに引いた瞬間、私は初日9Rがフラッシュバックし、確信した。間違いなく勝てる、と。まるで再現VTRを見ているように、同じS体形から豪快にまくって優勝。頼もしいエンジンのおかげでもあるが、それを引き出したのはまぎれもなく大峯選手、ファンタスティック!













