岡本太郎さんのことばと作品をモチーフに製作された特撮映画「大長編 タローマン 万博大爆発」が北米最大級の映画祭「第29回ファンタジア国際映画祭」で3日(日本時間4日午前)、クロージング上映される。

〝1970年代に放送された特撮ヒーロー番組〟という体裁のもと、岡本太郎(日本を代表する芸術)×特撮(日本を代表するエンタメ)の組み合わせが話題を呼んだEテレの「TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇」(2022~23年放送)。1話5分のEテレ深夜での放送から口コミが広がり、続編の制作や関連書籍が増刷を重ね、関連イベントも盛況ぶりを見せ、映画化となった。

 映画「大長編 タローマン 万博大爆発」(8月22日公開)は、「1970年代頃に想像されていた未来像」としての2025年(昭和100年)を舞台にしたもの。幾何学的な建物、透明なパイプで空中を移動する自動車、宇宙と交信する未来都市。その万博会場でタローマンが奇獣とたたかう。

こだわりの特撮シーン(©2025『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会)
こだわりの特撮シーン(©2025『大長編 タローマン 万博大爆発』製作委員会)

 その映画「タローマン」がカナダ・モントリオールで7月16日から8月3日まで開催されているファンタジア国際映画祭のクロージング上映される。クロージング上映は映画祭、祭典の締めくくりという重要なポジションで、2009年の「イングロリアス・バスターズ」などが選出されるなど、象徴的な作品が選出されてきた。映画祭最大の盛り上がりを見せる「観客賞」の候補であり、現地では「受賞するのでは?」と期待が高まっているという。

 監督の藤井亮氏は「タローマン」について「70年万博、昭和の映像やアナログ特撮、でたらめな映像、そして岡本太郎、どれか好きな人には何か必ずや刺さる映画になっております。CG全盛の今、なぜこんな面倒な作り方を? と周囲があきれるような作り方を貫いてようやく完成しました。ハリウッドの1000分の1の予算でも、情熱とアイデアとでたらめさは負けていません。手作りのウソと本気を、ぜひ笑ってください。映画館で見るからこそ驚くアイデアも盛りだくさんです」と語る。

 また、試写会を見たオカルト評論家の山口敏太郎氏は「この映画は、単なる怪獣映画ではありません。閉塞感漂う現代日本へのアンチテーゼです。ルールに縛られ、つまらなくなってしまった日本、デタラメのパワーで正面突破する力がなくなってしまった社会、ありとあらゆるものが行き詰まっています。そんな現状を岡本太郎パワーで粉砕しかてしまえ、そんな強烈なメッセージを感じます。映画を見終わった後に岡本太郎から訓示を受けたような気がしました」と話している。