神童が〝皇治〟対策に乗り出す――。ボクシングWBC世界バンタム級1位・那須川天心(26=帝拳)が9日、世界前哨戦の勝利から一夜明けて会見に出席。11月に計画されている次戦での世界挑戦が、先送りになる可能性が浮上した。それでも、さらなる飛躍を目指す姿勢に変わりはない。前日の試合では偶然のバッティングで左目上に裂傷を負ったが、これを課題と捉え、今後に向けて対策に取り組むことを明言した。

 前夜はWBA同級6位ビクトル・サンティリャン(ドミニカ共和国)を圧倒し、大差判定勝ち。だが、試合後は倒しきるという課題をクリアできず、反省の言葉を連ねていた。この日も「今まで見せていなかった動きをしていたところもあれば、いろんな課題も見えた」などと反省交じりに振り返った。

 計画通りなら次戦は11月に世界挑戦。だが、帝拳ジムの本田明彦会長は今後について「分からない」と語った。バンタム級は前日、WBC王者・中谷潤人(M・T)がIBF王者・西田凌佑(六島)を破って2団体で王座統一したばかり。WBAは堤聖也(角海老宝石)が目の手術を受けたことで休養王者となり、正規王者に昇格したアントニオ・バルガス(米国)が同級3位・比嘉大吾(志成)と防衛戦を行うことが濃厚。WBO王者・武居由樹(大橋)は、同級1位クリスチャン・メディナ(メキシコ)との指名試合を控える状況で「(世界挑戦は)次にやってもいいけど、みんなカードが決まっている」と説明した。

 那須川自身は世界挑戦に「実感が湧くかといえば、湧くものでもない」と話しつつ「できることを最大限やるしかない。どんな状況、どんなことが起こってもいいように常日頃、準備をしておくことが大事」と冷静に語った。

 また、前日は偶然ながらキックボクシング時代に経験のないバッティングで裂傷を負った。ボクシング転向後は2度目で「ボクサーの仲間入りですね」と苦笑い。だが、那須川の師匠を自称する格闘家・青木真也は「本家本元の皇治にも皇治(バッティング)されなかったのに、何をこんなところで皇治されてるんだって」と苦言を呈している。

 バッティングが多い元キックボクサーで現在は総合格闘家の皇治と、那須川がキックボクシングで対戦した際にはバッティングを浴びなかったからこその指摘。だが、この青木の言葉について直撃すると、那須川は反論。「レベルが違いますから。あれ(皇治)は頭突きというパンチ。今回は来ると分からなかった」と皇治とサンティリャンの〝技術差〟をはっきりと力説した。

 それでも「第3のパンチをよけるのも技術」とプロレスラー・初代タイガーマスクの佐山聡氏の言葉を口にしつつ「もらったのは自分のせいでもあると思う」と反省。「そこもしっかりやっていきたい。何があってもいいように」と対策に取り組むことを誓った。

 備えあれば憂いなしで世界を奪取する。