全国書店員が選んだ〝いちばん! 売りたい本〟を決める「2025年本屋大賞」が9日に都内で発表され、阿部暁子氏(39)の「カフネ」(講談社)が選ばれた。

 同作は、主人公の野宮薫子が急死した弟の元恋人の小野寺せつなに出会い、2人が食事を通じて心を通わせていく日々を描いた食をテーマにした物語。今回の受賞をどんな料理で祝いたいかと問われると、阿部氏は「生春巻きが好きなのでみんなで巻いて食べたいと思います」と笑顔を見せていた。 

 阿部氏は大学生の時に生協の書籍コーナーで、本の帯に記された「この本は全国書店員が選んだ1番読んでほしい本です」という文言にひかれ、第1回本屋大賞受賞作で小川洋子氏の「博士の愛した数式」を手にした。本を読み終え「こんな物語を死ぬまでに書けるようになりたいと強く思いました。あれから長い時間がたって、ここに立たせていることを本当に光栄に思います」と振り返った。

 また、「思いがけなくたくさんの人に手に取っていただくことができました。でもそれは私1人の力ではなく、たくさんの人の尽力があって起きた奇跡みたいなことでした。そして何よりも書店員さんたちが応援してくれたので多くの人に届けられたのだと思います」と感謝を語った。