故高倉健さんが主演し1999年に公開された映画「鉄道員(ぽっぽや)」の上映会と、同映画の撮影監督を務めた木村大作氏の講演会が23日、北海道空知郡南富良野町の南富良野町保健福祉センターみなくるで行われた。

「鉄道員」の舞台となった幾寅駅は、JR根室線(富良野~新得間)の廃線に伴い、今月31日の最終列車の運行をもって駅としての役目を終える。くしくも25年前の映画が現実になってしまった。

 今回の上映会と講演会は、121年の歴史を閉じるのに当たって幾寅駅の魅力を振り返り、町民の心に思い出を刻もうと南富良野町企画課まちづくりプロジェクト推進室が企画。上映会では南富良野町民をはじめ、遠く広島や埼玉などからも駆けつけた150人が「鉄道員」を鑑賞した。

 木村氏は上映前、映画の撮影時に毎日ボランティアで食事作りに協力してくれた幾寅婦人会のメンバーと駅舎の前で写真を撮りながら昔話に花を咲かせた。

 木村氏は「撮影当時は59歳。そこから25年たった今、高倉さん、降旗監督ら当時のスタッフ、キャストも鬼籍に入ってしまい、生き残っている自分が『この映画を語り継ぎたい』と本日来させていただいた」。

 東京から飛行機、列車と車を乗り継ぎ、4時間かけて到着したことについては「本当に遠いな! でもこの駅を選んだのは俺だった!」と笑いを誘った。

 さらに「列車が通らなくなると街は廃れてしまいがちだが、街の人たちの元気がなくらないよう頑張ってほしい。駅舎とロケセットを残すことも決めてくれたことは本当にうれしいし、ありがたい」と話していた。

 エキストラで出演した女性は、当時幾寅駅の乗客の1人として参加した際に持っていたかばんを持参し、高倉さんから「協力、ありがとう」と言われたことが本当に嬉しかったと語った。

 最後の運行となる31日には「LAST RUN 根室本線(落合~下金山間)121年ありがとう」と銘打った記念イベントも行われる。