【ニュースシネマパラダイス】

 映画コメンテーターの有村昆です。年始からいろいろな出来事がありました。

 1日には能登半島地震が発生。2日には羽田空港で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突し、炎上するという事故も起きました。日航機の乗客379人は客室乗務員の誘導により全員が無事に脱出することができましたが、海保機の5人が亡くなるという痛ましい事故になりました。

 今回は、クリント・イーストウッド監督作品で2009年に実際に起きた飛行機事故を基にした映画「ハドソン川の奇跡」(16年)を取り上げたいと思います。トム・ハンクス演じるサレンバーガー機長が操縦する飛行機がバードストライク(鳥類が衝突する事故)によってマンハッタンの上空850メートルという低空地点で両エンジンが停止。このままでは乗客155人の命に加えてニューヨークの街中に墜落し、大惨事になる危機に遭います。管制塔からは「近くの空港に戻れ」と指示が出ますが、機長は自身の判断でハドソン川に着水することを選択。それに成功した機長は浸水する機体から乗客を誘導し、乗客全員を救いました。

 機長は英雄としてメディアに取り上げられる一方で、事故調査委員会から「空港に戻れたのではないのか?」と疑惑の目を向けられてしまいます。英雄から一転、バッシングにさらされることに…。結末はぜひ本編でご覧ください。

 サレンバーガー氏は、その後のインタビューで「奇跡と呼ばないでほしい。日々の鍛錬が安全の精度を上げるわけで、奇跡と言われるとまぐれのような扱いになってしまう。プロは日々の精度を上げるしかない」と言っています。

 今回の日航機の乗客が無事だったのは客室乗務員の日々の努力があったからでしょう。改めて皆さんに敬意を表するとともに、海保機で犠牲になられた5人の方にお悔やみを申し上げたいと思います。

☆ありむら・こん 1976年7月2日生まれ。マレーシア出身。玉川大学文学部芸術学科卒業。ローカル局のラジオDJからキャリアをスタートさせ、その後映画コメンテーターとしてテレビ番組やイベントに引っ張りだこに。最新作からB級映画まで年間500本の作品を鑑賞。ユーチューブチャンネル「有村昆のアリコンch」で紹介している。