この年末、ベテランのピン芸人が色めき立っている。というのも来年3月に決勝が行われるピン芸人日本一決定戦「R―1グランプリ2024」で“10年以内”という芸歴制限が4年ぶりに撤廃されたためだ。そうしたなか、単独ライブ「漫談スタイル2」を12月4日に東京・中野区の野方区民ホールで開催するキャプテン渡辺(48)にライブにかける意気込み、さらにR―1への思いを聞いた――。

 ――昨年、11年ぶりに行った単独ライブを2年連続で開催

 キャプテン渡辺(以下渡辺)今後は毎年やって、還暦ぐらいまでやれればいいな、と。ただお客さんが来てくれないと、できないので。昨年は久々だったので“11年間のストック開放”みたいな感じがあったけど、今年はそうはいかない。新ネタで勝負しないと。

 ――ネタづくりは順調?

 渡辺 いや、コツコツやるつもりができなかった。結局2か月くらい前から大あわてでつくる感じで。

 ――R―1の芸歴10年以内という制限が撤廃されたのはピン芸人にとって朗報?

 渡辺 そうなんですけど、もともとR―1のネタに縛られるのがイヤだったんです。特に単独ライブはR―1に縛られず、自分なりの世界で勝負したい。もちろんせっかく芸歴制限が撤廃されたんでR―1を意識したネタもつくってますけど、R―1のための単独ライブにはしたくない。

 ――芸歴制限撤廃に喜びはない

 渡辺 いや、喜んではいるんですけど…。もちろん出場しますけど、また戦わなければいけないのはやっぱりつらい。ピン芸人で「またR―1に出られる」と聞いて、「うわ~、やった~」ってヤツは少ないと思います。どこかフワッと「出られるんだ~」みたいな。やっぱり賞レースで負けるのはイヤですからね。準決で負けたりしたらホント、気分が悪いし。

 ――ピン芸人でも、漫談だけという人は少ない

 渡辺 いませんよね。売れた人もいない(笑い)。あべこうじさんぐらいかな? そもそも漫談だけって街裏ぴんく、紺野ぶるま、ユリオカ超特Qさんくらいでしょ? もっとも漫談に限らず、ピン芸人なんてどうかしてる(笑い)。大体、お笑いを1人でやります? やってる自分が言うのもなんですけど。ただ、1人の利点もある。「ネタ合わせしなくていい」「自分のペースでネタづくりができる」。この2点。逆に言うとコンビのストレスはすごい。やりたいことがあってお笑いをやってるのに、自分の意見が通らないとか。

 ――R―1では芸歴制限撤廃だけでなく、ネタ時間も3分から4分に変わる

 渡辺 それは大きいですね。スベってる時の4分は異常に長いし(笑い)。そもそもピンネタって3分でも長い気がする。一概には言えないけど、会話の応酬の4分と1人でやる4分は違う。だからこの1分は全然違う。うれしい人とうれしくない人がいると思います。むしろR―1を意識しないでつくったネタがハマるといいんですけどね。

ウイニング競馬では虎石記者と共演している
ウイニング競馬では虎石記者と共演している

 ――一方で「ウイニング競馬」(テレビ東京系)には11年間もレギュラー出演している

 渡辺 ありがたいですけど、仕事が全部競馬なんで「いったい何なんだろう」と思う時はありますね。競馬番組しか出てないと何者だか分かんない。やはり芸人なんで。

 ――ただ菊花賞では70万円をゲットするなど、馬券は絶好調

 渡辺 ここ5年くらいプラスです。

 ――共演しているジャングルポケットの斉藤慎二さんは大変だったが

 渡辺 不倫? あんなの誰も興味ないですよ。ノーダメージじゃないですか? むしろ先輩にイジられておいしくなってるし。本人にも「誰も騒いでないから」って言いましたけどね(笑い)。

☆キャプテンわたなべ 1975年10月20日生まれ。静岡県出身。本名・渡辺峰人。高校卒業後の94年にプロレス団体「UWFインターナショナル」に入門したが、1年2か月で脱走。2005年にお笑いトリオ「キラッキラーズ」を結成。解散後の10年1月からピン芸人として活動。11、12年と「R―1ぐらんぷり」で決勝進出。12年から「ウイニング競馬」(テレビ東京)にレギュラー出演。ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)所属。