日本テレビ系「24時間テレビ」のチャリティー募金を日テレ系地方局の元幹部社員が着服していたことが28日、明らかになり、物議を醸している。ブラックボックスとも称されたチャリティー募金の使途をめぐり、私的な不正使用が発覚したからだ。着服問題には国も関心を示し、調査に着手する見込み。所管官庁の内閣府の担当者が取材に答えた。

 チャリティー募金を着服したのは、日テレ系の日本海テレビ(鳥取)で経営戦略局長だった田村昌宏氏(53)だ。

 日本海テレビは28日、記者会見を開き、田村氏が2014年以降、「24時間テレビ」の募金など計約1118万円を着服していたと発表した。内訳は、「24時間テレビ」の募金264万6020円、日本海テレビの売上金などの資金853万6555円。田村氏は同社内で保管されていた「24時間テレビ」の募金の一部を持ち出し、自身の銀行口座に入金するなどしていた。飲食やギャンブルに使ったとみられ、27日付で懲戒解雇された。同社は翌28日に鳥取警察署に被害を相談した。

 また、田口晃也会長は引責辞任、西嶌一泰社長は報酬3か月分を全額返上することも併せて発表した。

 同社担当者は取材に対し「14年に(田村氏が)着服を始めた当時、『親族から300万円を用立ててほしいと言われていた。そのころまでに精算済みのはずのイベントをめぐる入金があった。着服しても発覚しないと思い、手を出した』と話しています」と明かした。

 当時、同社に思わぬ入金があり、田村氏は〝会社にバレない〟と感じ、着服したことが一連の不正の発端だったようだ。

「24時間テレビ」を放送する日テレ側は怒り心頭だ。

「ブラックボックスとも称された募金の使途をめぐり、私的な不正使用が発覚し、世間の反感を買っています。来年の募金の減額は必至です」(日テレ関係者)

 着服問題には国も関心を示し、調査に着手することになりそうだ。

「24時間テレビ」の募金活動は、日テレをはじめ、着服が発覚した日本海テレビなど全国31社で構成される「公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会」が行っている。公益社団法人の所管官庁は内閣府の公益認定等委員会だ。「24時間テレビ」関係者の話。

「『24時間テレビ』を通じて募金した人は、税制上の優遇措置を受けられます。24時間テレビチャリティー委員会が公益社団法人として認定されているからです。着服問題を受けて最悪の場合、公益認定が取り消されれば、税制上の優遇措置もなくなる。募金の減額に拍車がかかります」

 内閣府の公益認定等委員会担当者は取材に「今回のケースをただちに把握できていませんが」と断った上で「公益認定基準があり、それに違反すると公益認定の取り消しはあります。例えば、法人の役員や理事が禁錮刑以上の刑罰を受ければ、認定取り消しになる。また、認定法の基準やその他関係法令の違反が認められ、指導、監督した上で改善が見込まれない場合も公益認定の取り消しはあります」と回答。今回の着服問題については「報道など状況を踏まえ、法人さん(24時間テレビチャリティー委員会)にもお話を聞いたりして、それらを踏まえて適切に指導、監督する形で対応していくかと考えています」とした。

 来年の「24時間テレビ」で募金を継続するのか――。これについて日テレ総務局広報部に取材したところ、「現時点でお答えできることはございません」と回答した。