ボートレース蒲郡のSG「第70回ボートレースダービー」(優勝賞金4000万円)は29日、12Rでベスト6による優勝戦が行われた。レースは人気を集めた1号艇の峰竜太(38=佐賀)がインからトップスタートで先マイ。まくり差した3号艇・桐生順平を寄せつけず、2Mを先取りすると独走でゴール。SG6回目の優勝は、通算100Vと全24場制覇のおまけ付きとなった。

 2~6コースから峰攻略を狙った5人が、手も足も出ない完勝劇だった。「ダービー」のドリーム戦1号艇=勝率ナンバーワンの証しであり「(選考順位)1位で来たということはダービーを取るために来たということ!」と峰自身も強い決意で臨んだシリーズ。優勝戦のコンディションは「この風(6メートルの横風)はミスったら差される」と一抹の不安もあったが「足の違いは明らか。誰にも負けない足だった」と完璧に仕上げた17号機には絶対の自信があった。まくり差しで追走する桐生も脅威にはならず、ゴールの瞬間は渾身のガッツポーズで詰めかけたファンの声援に応え〝峰竜太劇場〟は終演を迎えた。

「うれしいという感情は1%ぐらい。ホッとしたというか、責任感の方が強かったんで…」

インタビュー中、涙ぐむ峰竜太
インタビュー中、涙ぐむ峰竜太

 レース直後に漏らした本音からは〝峰竜太を演じきった男〟の心の中が垣間見える。2021年のグランプリ以来となるSG復帰戦は、デビュー通算100Vと全24場制覇の金字塔もかかるドラマチックな舞台も重なり「苦しかった。走りたくないぐらいだった」と素顔の峰竜太は絞り出した。しかし、最高の舞台装置、脇役、観衆がそろったドラマを見事に演じきり「自分の成長を実感できた」と華のある男はまた1段階ステップアップした。

 SGは2022年を全休し、2023年も「メモリアル」まで遠ざかったが「SGを優勝してこそ真の復活」と語っていた男が有言実行。優勝後はさらに「完全復活はグランプリ制覇をした時です!」と新たに決意表明だ。ボートレースの華となった峰は、現在進行形で新時代を創造中である。