◇土屋智則(38)群馬支部97期

 ボートレース徳山のSG「第33回グランドチャンピオン」の開幕が20日に迫った。SGで活躍したトップレーサーのみが出場できるハイレベルな大会。ビッグレース恒例のカウントダウンコラム「SGの真価」最終回は今年3月の平和島クラシックを制してSGウイナーの仲間入りを果たした土屋智則。ボートレース界の最高峰グレードのタイトル獲得後の気持ちの変化を率直に打ち明けた。

 3月の平和島クラシックでSG初戴冠。「SG取った後も何も変わってないですよ。やっていることも何も変わらないし、気持ち的にもSG勝つ前と一緒ですね」と淡々と話す。

 ただ、これには「今は…」という注釈が付く。「実はクラシックを勝った直後はいろいろ考えましたよ」と打ち明ける。まずは10月の蒲郡ダービーの出場権取りだ。「SGで優勝したのに、ダービーに出場できなかったら恥ずかしいな、と思いましたね。それで何とかダービーの出場権を取るために勝率を上げないといけないと思っていました」という。

 そして、賞金3900万円を加算したことで年末のグランプリ出場も強く意識した。「もちろん年末のことも考えるようになりましたよ。できるだけグランプリにいい位置で行きたいな、とか…」と振り返る。

 しかし、4月30日、地元・桐生のGWシリーズ3日目にF。「いろいろなことを考え過ぎて気持ちばかり焦ってしまいました。その象徴が桐生のFでした。やっぱり先のことを考えてもダメなんだ、と思いましたね。それで今はSGを勝つ前と同じように目の前のレースに集中しようと思っています」と気持ちを切り替えた。

 この〝方針転換〟に納得しているわけではない。「本当は先のことを考えながら戦っていかなきゃいけないと思うんですよ。でも、ボクはそれが裏目に出てしまったので、考えないようにしている、というのが現状です」。SG常連のトップレーサーは常に年末のグランプリを見据えて日々、戦っている。そのトップレーサーと現状の自分を比較すると、どうしても差を感じてしまう。SGタイトルを手にしたことで改めて痛感した〝差〟だ。

 平和島クラシック直後の蒲郡、3節後の徳山でVと勢いは継続。昨年9月の徳山69周年記念以来のGⅠとなった6月の戸田67周年記念でも優出はならなかったが、準優3着とまずまずの成績を残した。「一般戦が続いていたということもあるけど、調子は悪くない。最近はエンジンの引きがいいですよね。ここ何年かでは一番いいんじゃないかと思っています。抽選運には波があるので、いい時にしっかり結果を出したいですね」と静かに2つ目のSGタイトルを狙っている。