ボートレース芦屋のSG「第50回ボートレースオールスター」(優勝賞金4000万円)は28日、波乱の準優勝戦を勝ち上がった6人により12Rで優勝戦が行われた。晴れ、気温26度の穏やかな水面で穏やかな枠なり3対3で始まったレースは、1号艇の石野貴之(40=大阪)がインから力強いターンで先マイすると、スリット裏からは独走に持ち込み、ライバル5艇を完封してV。通算67回目の優勝は2021年、福岡クラシック以来10回目のSG制覇、オールスターは2回目のVとなった。

 インが強い芦屋で準優1号艇を手中にしたのは茅原悠紀、石野、毒島誠の3人。腕もスピードも超一流とあって逃げ3連発が予想されたが、茅原はF艇(下條雄太郎)に抵抗して落水。毒島は浜野谷憲吾のまくりに屈し優出に失敗した。大波乱の準優をすっきり逃げ切り、優勝戦1号艇をもぎ取ったのが石野だった。

「優勝戦はゾーンに入っていました。すごくいい集中力がつくれて、負ける要素が見つからなかった。Sも見えていました。もしかしたら過去一番かもしれない」

 エンジンだけでなく、石野本人が究極に仕上がっていた。2日目に完調宣言が出たエンジンは最後までタレることなく石野のハンドルに応え、選手の方も「朝一で試運転をして、回転調整をしてからはリラックスしていました。朝から緊張していると(緊張の糸が)切れてしまうんでね」と泰然自若。今節は「前検の夜に優勝する夢を見たんです。そういう時はだいたい優勝するんで」と〝夢のお告げ〟もメンタル面に好影響を与えた。

 これで節目のSG10Vに到達したが「まだまだです。松井(繁)さんが12回。そこを目標にしているんで…。40億円(松井の獲得賞金総額)は無理ですけどね(笑い)」と頂点を目指しての走りはまだまだ続く。

 ゴールの瞬間、体をスタンドに向けたのは「とにかくお客さんの方を向いて、ガッツポーズをしたかった」と詰めかけたファンの熱気に応えたかったから。「万全じゃない」という左肩のケガを押して出場したのも「オールスターだから」。今回の石野は〝ファンあってのボートレース〟を体を張って証明した。