【今週の秘蔵フォト】1974年4月に「恋のインディアン人形」でデビューし“香港製ザ・ピーナッツ”として人気を集めたのが、香港出身のポップデュオ、リンリン・ランランだ。

 59年1月3日香港生まれの一卵性双生児で、米国人の父と中国人の母を持つ。米国籍で香港では「樂家姊妹」(ロッカーシスターズ)として活躍し、日本のスカウトの目に留まって来日。人気番組「スター誕生!」のアシスタントを務めた。ロングのおさげと愛くるしいルックスで人気者となり「恋のインディアン人形」はデビュー曲にして最大のヒットとなった。芸名は上野動物園の人気者だったパンダの「カンカン」と「ランラン」にヒントを得たという。

 74年12月15日付本紙にはデビュー9か月目の2人のインタビューが掲載されている。ちょうど3枚目のシングル「恋のパッコンNO.1」を11月に発売したばかりだった。実は前年に父親を亡くしており、四谷のマンションでは母親と川の字になって寝ていたという。「お母さん、大好き。でもリンリンとランランはお父さん似。お父さんハンサムだったよ」と声を揃えけなげな笑顔を見せた。

 仕事で全国を回り、一番のお気に入りは北海道で、生まれて初めて雪を見て手ですくって食べたという。「空気がフレッシュ。広々として気持ちがいい。お休みの時はまた行きたい」と話した。日本でも香港でもボーイフレンドはおらず「まだ結婚なんて考えたこともない。でも優しくていい人なら顔なんていいよ。でもブルース・リーは大好き」と2人は笑った。

 ちなみに記者は「ランランは妹だけに、リンリンより闊達で陽気。よくしゃべる。失敗してもくよくよせずに、すぐ諦める。2人とも実に表情が豊か。トレードマークの大きな瞳がクルクルとよく動く」と、その愛らしさを表現している。

 ちなみに日本の中国料理店のコマーシャルに出演し「♪リンリンランラン留園~」とのCMソングも有名になった。76年7月に最後のシングルを出すと、香港に帰国して現在は米国で暮らす。活動期間は短かったものの、記憶に残るアイドルだった。