アイドルが女優として活躍することが当たり前になった昨今、壁となるのは「アイドルで大丈夫?」という“偏見”だ。世界的人気漫画「鋼の錬金術師」の初舞台化作品(3月、大阪・東京)に出演するAKB48岡部麟(26)も覚悟の上だ。「私が成果を上げれば、後輩たちにバトンを渡すことにもつながる」。そんなグループ愛を胸に、全身全霊で挑む思いを聞いた。
――原作漫画は全世界でシリーズ累計部数8000万部を突破。錬金術を用いたバトルアクション、歴史や国家をまたにかけた壮大なストーリー、個性豊かな登場人物で数多くのファンを抱えている
岡部 もちろん私も知っている作品ですし、世界中の人々から愛されている。ファンの方たちが想像している世界観を、目の前で繰り広げるステージで届けたいです。
――ヒロイン役のウィンリィ・ロックベルを演じるが、自身と重なる部分は
岡部 原作を読み直したり、アニメを見返したりする中で、ウィンリィちゃんは芯の強さを感じる。信念があったり、男には負けねえぞ!という強さみたいなところは、ちょっとだけ通じるものがあるのかなと思ってます(笑い)。
――人気漫画の舞台化は、原作ファンからの期待が大きいだけに厳しい目も向けられる
岡部 アイドルが演じることに「大丈夫なの?」と心配する声や、偏見を抱いている方も少なからずいると思います。偏見を見返したい気持ちはある。私が言うのもおこがましいかもしれないけど、ここで頑張って成果を上げることができたら後輩たちにバトンを渡すことにもつながる。AKB48のメンバーを起用しようと思うきっかけにもなるかもしれないし、グループ自体への信頼も厚くなるかもしれない。私は今はグループ活動を離れて、舞台に集中させていただいているので、精一杯頑張りたい。
――昨年は、ミュージカル「ピーター・パン」をはじめ5つの舞台作品に出演した
岡部 ここ最近、舞台に立ち続けてきたことで、自信もつきました。いろいろな演出家さんにもらった言葉も自分の糧になっています。「パワーをスッと出せるところが強み」と言っていただけたり、言葉の明瞭さを褒めていただいたり。自信をなくしたら、言葉を思い出して頑張ります(笑い)。とにかく皆さんの気持ちに応えたいです。
――AKB48に加入して9年目。卒業後を見据えることも
岡部 年齢的にもキャリア的にも、この先AKB48に長くいることはないと思います。もちろんこの舞台のために何ができるかを考えてますし、自分の名前を知ってもらうことも大切です。でも、やっぱりグループの先輩たちが後輩の私たちにいろいろなものを残してくれたように、私も何かを残せたらいいなって。もちろん私がマイナスになるようなことをしてしまえば、先輩や卒業生まで迷惑をかけてしまうので、そうならないように。後に続く子たちのためにもいいモノをつなげられるようにしたい。
――今後の女優活動は
岡部 演技の道に踏み出したばかりなので、女優なんておこがましいですけど(苦笑い)。ファンの方の中には、私がアイドルとして踊っている姿を見たいと言ってくださる方もいる。ただ、そういう方に舞台を見ていただいて「見てよかった!」と思ってほしい。この作品をすごい!と思ってもらえたら、AKB48にも還元できる。自分のことよりも、そこがイコールだと思っているからこそ、すべてをかけて演じたいと思います。
☆おかべ・りん 1996年11月7日生まれ、茨城県出身。2014年、各都道府県の代表からなるチーム8の茨城県代表として加入。現在はチーム8およびチームAメンバー。18年に「いばらき大使」に就任。舞台「鋼の錬金術師」は、3月8日から12日まで大阪・新歌舞伎座、3月17日から26日まで東京・日本青年館ホールで上演される。













