ボートレース三国のプレミアムGⅠ「第23回マスターズチャンピオン」は24日、12Rで優勝戦が行われた。枠なり3対3で始まったレースは今垣光太郎がイン先マイに持ち込んだが流れ、2コースから鋭く差した上平真二(48=広島)が2M先取りから独走に持ち込み優勝。通算69回目の優勝はうれしいGⅠ初優勝となった。

「三国でこれ以上フライングはできない。確実なスタートを行きます」と語っていた地元の今垣も、勝負のスイッチが入ったかコンマ09の快ショット。1MはVへのターンになるはずだったが、黒い刺客・上平が待ったをかけた。

「2コースは差しと決めています。以前、ファンの方に『2コースからまくるのは舟券を買ったファンへの背信だ』と言われて、それ以来です」

 時と場合によっては2コースまくりも有効な戦法になるが、上平はより確実性の高い〝差し〟に磨きをかけてきた。今節は優勝戦が3回目の2コース戦。1回目(3日目)は「寄り過ぎて失敗」=3着。2回目(4日目)は「タメて差そうと意識して、うまくいった」=1着。優勝戦での決まり手となった〝差し切り〟への下地を固めた。実戦で差しの感覚を研ぎ澄ましながら、それを大一番で炸裂させるのだから、上平のテクは〝第23代名人〟を名乗るにふさわしい。

 ここまで16回のGⅠ優出を数えながらタイトルに手が届かずにいたが、今回は思い出(デビュー初優勝)の地・三国、3年連続優出となった相性のいい大会「マスターズチャンピオン」と、見えないところで流れは来ていたのかもしれない。力強く逃げ切った準優11Rも「松井(繁)さんがいたら前づけに来ていたでしょうし、ツイていたのかも…」と、6号艇・松井が負傷帰郷したことも今となっては流れの一つだと思える。

 晴れ舞台となった表彰式での第一声は「最高にうれしいです」と小声で発したが、この控えめなキャラも上平の魅力。この〝優しい差し職人〟は5月の地元・宮島SG「オールスター」でも静かに暴れてくれそうだ。