◇横田貴満(29)佐賀支部119期

 2022年前期適用勝率は5・43。1月からA2に昇級した。外野から見れば〝さあ、次はA1だ〟と盛り上がるところだが、本人は現実を直視しながら地に足をつけ、一歩一歩のスタンスだ。

「デビューして5期ぐらいまでは、どうやったら(勝率)3・80が取れるんだろう、と不安だらけでした」
 
 デビューから2年も経過すれば、少なくない数の若手が勝率不足による〝クビの危機〟に直面するわけだが、横田もそんな一人だった。状況が変化したのは、上野真之介との出会いからだ。

「プロペラグループは栗山繁洋さん、中野和裕さん、岡部大輔さんたちの〝海苔小屋〟でお世話になっているんですが、グループが違う上野さんに声をかけてもらって…。たぶん勝率がヤバい自分を見るに見かねたんだと思います」

 こうして上野を師と仰ぎ、レースとプロペラのアドバイスを受けるようになる。

「レースに関しては、ターンはミスしてもいいと…。それより道中の位置取りや走り方を考えろと…。リプレー映像を見ながら、どのコースを通ってどんなターンをするべきだったかを教えられました。プロペラでは、上野さんの感性の繊細さを思い知らされました。上野さん、足併せをしなくても、乗った感覚でプロペラのどこをどう叩けばいい反応が出るか、分かるんです。その調整もすごく微妙で、見ただけでは叩いたかどうかさえ分からないのに」

 8点勝率を2度マークし、GⅠ、SGで7優出のテクと〝神業〟のプロペラ調整力を持つ上野に師事したことで、A2勝率を残せた。とはいえ、課題は山積みだという。

「優出は3着から繰り上がりで1回だけ。準優ともなるとレースが上手な人が揃うんで焦ったり気持ちが入り過ぎたり…。乗り方やターン出口での工夫も必要ですね。それに成績の波も大きくて。師匠からは〝俺が元気なうちに一緒に記念を走ろうぜ〟と言われているんですが…」

 選手になる前は病院勤務と社会人経験がある律義で謙虚な〝肥後もっこす〟は3月10日現在の2022年後期適用勝率が5・23。級別審査期間が終了する4月30日までの残り1か月半で連続A2にチャレンジする。

☆よこた・たかみつ 1992年11月5日生まれ。熊本県出身で佐賀支部の119期生。2016年11月、からつでデビュー。初勝利は2016年12月のまるがめ一般戦。2021年12月、からつGⅢ企業杯で初優出(6着)。同期に黒野元基、実森美祐、尾上雅也、井上忠政、西橋奈未、中村魁生ら。