お笑いコンビ「浅草キッド」の水道橋博士氏(59)が、7月投開票予定の参院選にれいわ新選組から比例代表で出馬することを正式表明した。

 芸人のみならず作家、ジャーナリストと幅広いフィールドで活動する博士氏は、政治からプロレスまで造詣が深いことで知られる。出馬意思を表明した時から、「国会に卍固め」という、1989年にスポーツ平和党で立候補したアントニオ猪木氏の文句をキャッチフレーズに引用してきた。

 東京・新宿駅前で26日に行われた街頭記者会見で、参院選の勝算を聞かれた際も「戦う前から負けることを考えるヤツがどこにいるんだ!」と猪木氏の名セリフを持ち出したが、聴衆の反応はいまひとつだった。

 報道陣の取材に対し博士氏は「国会に卍固めだ、バカヤローとか、ずっとやっているが、全く響かない。『消費税に延髄斬り!』と猪木イズムを踏襲した立候補でやっているが、世代差があるのか届かない。僕のパロディーがスベっている」と思わぬ本音をのぞかせたが、やはりプロレス愛は止められない。

 参院選の全国行脚での方法を聞かれると「バカヤロー、あちこちの会場を押さえろ!」と今度は長州力の名セリフを持ち出しだが、「これもそんなにウケない」と、20~30代の若い世代の記者もいる中で、苦笑いするばかりだった。

 中高年での知名度は抜群の博士氏だが、若者層にどこまで浸透を図れるかが参院選ではカギとなる。そこで博士氏は「空中戦ですね。ユーチューバーの力を借りたい。特に20代で政治に興味のある方は僕を呼んでください。20~30代の方に分かりやすく話をする。党で交わりたくない人もいると思うが、そういう垣根を越えます。反スラップは党派を超えているもの」と呼びかけた。影響力のあるユーチューバーならNGなしでコラボしていきたいという。

 弱点をカバーする見通しがついた博士氏だが、「(街頭演説では)何時間でもどこの場所でもいつでも誰の挑戦でも受ける。そんな気分です。赤色の闘魂タオルを巻いてやりたい」と、やっぱり猪木ワード全開。選挙戦ではプロレスネタが尽きることはなさそうだ。