運の尽きとはこのことか――。ジャニーズの人気グループ「KAT―TUN」の元メンバー田中聖容疑者(36)が、覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕されたが、そこに至る経緯が明らかになった。実は新型コロナウイルスの影響で〝代打出演〟が急きょ決まるなど、偶然に偶然が重なった末での逮捕だったという。


 田中容疑者は1月30日午後5時52分ごろ、名古屋市内のビジネスホテルで覚醒剤約0・164グラムを所持した疑いが持たれている。容疑が固まり、実際に逮捕されたのは今月24日だが、ここにきて元ジャニーズアイドルの逮捕に至る経緯が明らかになってきた。

 田中容疑者は1月28日、千葉県内で仕事を終えると、当初の予定では29日に名古屋市内で対バンライブ(複数のアーティストが割り当てられたタイムテーブルで出演するライブのこと)を行い、30日は名古屋ではなく、大阪市内での対バンライブに出演するはずだったという。終了後には自宅の千葉・柏市へ帰るはずだった。

 ところが、30日の大阪対バンライブは直前になって、他のバンドの新型コロナ感染などで延期になってしまったという。田中容疑者の30日のスケジュールはポッカリ空いたわけだ。

 一方、名古屋では対バンライブが29、30日の2日間で開催が決まっていた。田中容疑者は29日の回のみ出演予定だったが、こちらも直前になって、他のバンドに新型コロナ感染の疑いがあり、そのバンドが出演予定だった30日の午前と午後のライブがキャンセルになってしまった。

 名古屋対バンライブの主催者は30日の回の穴埋めに奔走。そこで田中容疑者に「29日だけじゃなく、30日も出てくれませんか?」と泣きついた。いわば〝代打出演〟のオファーだったわけだ。

 くしくも田中容疑者は30日の大阪対バンライブが延期になり、スケジュールは空いていたため、代打出演のオファーを快諾。名古屋対バンライブは29日に続き、30日も出演が決まった。

 だが、結果的に田中容疑者のスケジュールは29日夜、30日午前と夜と〝ダブルヘッダー3回登板〟というハードなものになったという。

「田中容疑者は29日夜の対バン出演後、夜遅くまでファンへの物販対応をしました。30日にあと2回の出演が控え、疲労もあり、〝ガソリン〟を注入する意味もあって、持参した覚醒剤を30日に使ったといわれています」(関係者)

 つまり、30日の大阪対バンライブが延期され、代わりに名古屋対バンライブの出演が決まるという偶然が重なり、その日に覚醒剤に手を出した格好だ。そして袋に入った覚醒剤を客室で発見したホテル従業員が通報し、〝お縄〟となった。

「もし偶然が重ならなければ、このタイミングでの逮捕はなかったかもしれません」(同関係者)

 田中容疑者は2017年、東京・渋谷区で大麻取締法違反の疑いで逮捕されたが、証拠不十分で不起訴処分になり、命拾いした。だが、今回は尿検査で覚醒剤の陽性反応が検出されている。もう、逃げられそうにない。