AKB48の横山由依(29)が9日、東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行い、12年のアイドル人生を終えた。

 横山は2009年に9期生オーディションに合格。15年12月に高橋みなみから引き継ぐ形で、2代目AKB48グループ総監督に就任。19年3月、向井地美音に引き継ぐまで、3年4か月務めた。卒業スピーチで「苦しかったこともあったけど、今振り返ったら『楽しかった』の一言。これからは1人の横山由依としてお芝居や歌にしっかり向き合って、夢や希望を与えられる存在になりたい。元AKBとして恥ずかしくない活動をしていきたい」と誓った。

「24時間365日、AKBでいられた」と語るほどグループのために尽力し、ノースキャンダルを貫いて卒業した。

 これまで「真面目すぎる」という言葉に悩みながらも報道陣にも丁寧に対応してきた。この日も終演後、仕事関係者らに拍手されると、ドレス姿で「ありがとうございます」と何度も何度も頭を下げながら引き揚げる姿があった。

「初代総監督の高橋みなみと違って、自分の考えをうまくまとめて伝えるのが苦手だった。インタビュー取材などでも『記者の方がいろいろ私に質問してくれるから、自分がこう考えていたんだと気づかされます。いつも記事を書いてくださってありがとうございます』などと感謝を口にする姿が印象的ですね」(横山と親しい出版関係者)

 本紙記者もその“誠実さ”を経験している。AKB48グループは、17年に女子プロレスを題材としたテレビ朝日系ドラマ「豆腐プロレス」に出演。本紙は同年に東京・後楽園ホールで行われたリアル興行の公式パンフレットを作製した。

 当時、総監督の横山にインタビュー。プロレス挑戦の意義について5分以上も熱弁した後に「あれ? どんな質問でしたっけ? ちゃんと言えてました? うまくまとめていただけたら」と話していた。先月27日に行った卒業コンサートでもスピーチ後に「長さは大丈夫でしたか?」とファンに呼びかけて笑いを誘った。ソロ転身後も変わらぬ姿で信頼を得そうだ。