〝なんでも鬼滅〟現象にファン複雑「無節操なコラボやりすぎ」

2020年10月28日 11時15分

「鬼滅の刃」が空前のブーム

 人気マンガ原作の映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が16日の公開から10日間で、日本最速の興行収入100億円を突破。空前の大ブームとなっている。今や猫もシャクシも“鬼滅推し”で、さまざまなコラボ商品が生まれているが、一部ファンからは「やりすぎ!」の声が上がっている――。

 今やテレビなどで連日のように話題に上る「鬼滅の刃」は、主人公・竈門炭治郎が鬼にされた妹を人間に戻すべく、「鬼殺隊」として、9人の「柱」と呼ばれるつわ者や仲間たちとともに鬼と戦うストーリー。同映画は史上空前の大ヒットを記録し、東京・新宿にあるTOHOシネマズ新宿では、全12スクリーン中11スクリーンで朝7時から上映し、出勤前のサラリーマンやOL、通学前の学生たちまでがこぞって見に行く社会現象になっている。

 25日には日本映画史上最速で興行収入100億円を突破したが、歴代興行収入308億円で1位のジブリ映画「千と千尋の神隠し」(2001年公開)を意識したファンたちの間では、今作で主役級の活躍が描かれている炎柱の煉獄杏寿郎を持ち上げて「煉獄さんを300億の男に!」といったムーブメントまで起こっているのだ。

 一方でアンチも続々登場。テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のコメンテーター玉川徹氏が、21日の放送で「ここまでヒットすると、見ない法則が僕にはあってですね」と発言し、鬼滅推しの斎藤ちはるアナウンサーとのやりとりが話題になった。

 大人気作ゆえにアンチが出てくるのは宿命ともいえるが、一方で一部の真摯なファンたちの間では「鬼滅のコラボが節操なさすぎる」という声も上がっている。いったい、どういうことか?

「『鬼滅の刃』は原作のアニメ化から映画化まで用意周到だった。アニメ業界は原作のアニメ化だけでは大きな利益にならず、その後の展開が重要になる。特に今回のブームを火付けした会社は業界でも“作品の現金化”にたけていることで有名。鬼滅のブームを作って一気にコラボ商品化した結果、ブームが想像以上に大きくなってしまって、一部のファンたちに節操がないように見えてしまったのかもしれない」(アニメ雑誌編集者)

“鬼滅コラボ”の商品は販売終了したものも含めて数えきれないほど多く販売されている。

 それこそ食品(ふりかけ、カレー、カップラーメン、おにぎり、サンドイッチ、ガム、スナック菓子、飲料…)から掲載誌(週刊少年ジャンプ)以外の雑誌、ゲーム、飲食店に公共交通機関まで…。はたから見れば「とりあえず鬼滅とコラボしとけ!」と言わんばかりで、納得できないファンがいるのは分からなくもない。

 実際に、ネット上では「鬼滅コラボの名言出しとけばいいだろ感。雑すぎて笑っちゃう」など、散々な言われようだ。

 それでも前出のアニメ雑誌編集者は「なかなか利益が上がらないアニメ業界において、偉大な成功例となっているのは事実。歴代興行収入1位の記録を破ったときに、批判的な人たちも見方が変わるのではないか?」と話す。

 原作はストーリー展開を早くして読者をひきつけ、桜が散るようにさっと終了した。引き延ばせばもっと儲けられただろうが、そうしなかった。その武士道的な潔さを好むファンが多い。それだけにあまりむちゃなコラボはマイナスになりかねない。