選挙で苦戦続くN国・立花孝志党首 格闘技路線にシフトか

2020年09月14日 11時00分

スーツ姿で後藤氏に左ストレートを放った立花氏(左)

 格闘技で勝利も肝心の選挙は落選――。NHKから国民を守る党の立花孝志党首(53)が13日、素人異業種格闘技戦「hatashiai」(東京・新木場1stRING)で輝樹塾塾長・後藤輝樹氏(37)と対戦し、判定勝ちを収めたが、正念場と据えた同日投開票の大阪・和泉市議選(定数24)で、同党から出馬した多田ひとみ氏(26)は落選。エンタメ界に展望が開けた一方、肝心の政治の場では、地方選からの“撤退”も現実味を帯び、明暗分かれる一日となった。

 7月の都知事選でも争った後藤氏に対し、体重97キロの立花氏は38キロも上回っていたが、53歳で1ラウンド持つかも怪しいところだった。それでも立花氏は「虎はなぜ強いのか。もともと強いから」と練習は一切せず、試合当日まで和泉市で選挙活動に張り付いていた。

 周囲からは「大の字でKO負けされるようなことがあれば大変なことになる」と不安の声も漏れる中、立花氏はスーツ姿でリングイン。高校3年時にNHKから内定が出るまでは、ケンカに明け暮れていたとあって、ゴングが鳴るや、体と拳はすぐに勘を取り戻した。

 後藤氏のボディーに重いパンチを繰り出せば、ガードが下がったところに左ストレートを放ってダウンを奪うとあとは仁王立ち。スタミナを温存しながらのカウンター狙いで、判定勝ちを収めた。

 立花氏がこの試合に臨んだのには理由があった。「普段、NHKの集金人や選挙妨害と戦っている。俺が弱かったら、NHKとも戦えない。(ケンカになっても強いという)自信があるからこそ、周りの部下や支援者に安心感を与えられる」とぶざまな試合はできなかったワケだ。また異色の試合に出場することで、同日投開票の和泉市議選をアピールする狙いもあった。

 天性のケンカ強さを見せた立花氏に対し、大会を主催するライフサポートの古賀真人代表取締役は興奮を隠せない。

「立花さんの踏み込みの速さに早く試合を止めなきゃと何度も思った。あそこまでの強さだと本当の格闘家と戦っても面白い。最初のころのボブ・サップのようで、今後も型にはまってしまわないように練習はしない方がいい」とプッシュした。

 立花氏もこの一戦で終えるつもりはない。次の対戦相手に都知事選でトラブルがあった日本第一党の桜井誠党首(48)を指名し「ボクシングでも相撲でも口喧嘩でもなんでもいい」と挑発した。

 一方、和泉市議選に「NHKから国民を守る党」から立候補した多田ひとみ氏は落選した。

 市議選には定数24人に対し27人が立候補。告示日には立花氏や上杉隆幹事長ら党幹部のみならず、党広報官の“ゆづか姫”こと新藤加菜氏まで応援に入った。立花氏は「90%いける(当選できる)と思っていた。厳しいですね。こうなるとしばらくは市議選に挑戦したくても無理ですね」と今後の選挙戦術の再考を示唆した。

 今年に入ってN国党の選挙は落選続きの苦境にある。「政治に関心を持ってもらうためには面白くないといけない」が持論の立花氏だけに党のPRや話題作りのために格闘技路線に活路を見いだす可能性も出てきた。