【いろもの伝】いとうあさこ 育ちの良さが邪魔していた20年前

2019年09月10日 10時00分

今年の24時間テレビではマラソンランナーを務めた

 最近、女芸人の活躍がすごく目立ちますね。以前から山田くにちゃん(邦子)や清水のみっちゃん(ミチコ)が頑張っていたけど、今の流れを作った一人は、いとうあさこでしょうね。

 いとうと初めて会ったのは、もう20年ぐらい前。まだ20世紀でした(笑い)。僕らがやっていたお笑いライブのネタ見せに来たんです。当時は「ネギねこ調査隊」(1997年結成)というコンビを組んでました。

 当時、ネタを見たりいろいろ話して思ったのは、「この子はちゃんとした家で育ってるな」ということ。話してて頭の良さを感じましたし、端々から育ちの良さがうかがえたんです。と、同時に思ったのは「なんでこんなちゃんとした子が芸人になろうと思ったんやろ」ということ。あのころの若い芸人は、言い方が難しいですが、“どうしようもない”人が多かったんですよ。

 いとうと同じようなニオイを感じたのが、にしおかすみこです。2人とも女子高出身ですね。で、2人とも育ちの良さが出るぶん、ネタを見ながら痛々しさを感じてました。ちゃんとしてるんやから、そんなことせんでもええのに、と。技術や表現力が追い付いてないから、余計にそう思ったんです。2人とも“心が家出”していたんでしょうね。

 この時は「ボキャブラ天国」で若手芸人がどんどん売れてきた後ぐらい。「そうか、こういう女の子が芸人を志望する時代になったんやな」といとうたちを見ながら思ったもんです。

 そんないとうが、あることを境に、明らかに変わりました。

  (続く)

☆りっきー=1958年9月8日生まれ。京都府出身。本名・岡博之。81年に「ブッチャーブラザーズ」結成。サンミュージック初の所属芸人に。プロダクション人力舎に移籍後、92年に開校した東京初のお笑い専門学校「スクールJCA」講師を務めた。現在サンミュージック常務取締役。