「第23回東京スポーツ映画大賞」と同時表彰の「第14回ビートたけしのエンターテインメント賞」で話題賞を受賞したタレント・板東英二(73)が堂々の出席を果たした。板東は、一昨年に個人事務所の申告漏れが発覚して芸能活動を休業。昨年11月の「植毛は経費で落ちると思っていた」との謝罪会見が話題となったが、たけしはのっけからツッコミまくり、板東も「あの会見には誤解があるんや!」と本紙に真相を激白した。

 板東が謝罪会見で話した「カツラが経費で落ちると聞いたから、植毛も落ちると思っていた」という“名言”はすっかり有名になった。


 たけしは壇上に上がった板東にすかさず「賞品はスーパーミリオンヘアー2年分」とジョークを飛ばしたうえ「しょうがないよ、お笑いなんだから。世間は不幸が好きなんで」とフォロー。さらに「だけど植毛は経費で落ちないのにカツラは落ちる。じゃあマープ増毛法はどっちなんだ。経費で落ちるのか?」と植毛ネタで会場を沸かせた。


 たけしの発言に触発されたのか、板東も芸人魂を発揮。「いろいろ大変でねえ。植毛は手入れが大変なんです。家中、黒い粉だらけになってしまった」と自らの植毛ネタを展開。これにはたけしも感心した様子で「こういったシャレであげる授賞式にもちゃんと出席して対応できる板東さんは立派。これが本当の芸人」と絶賛した。


 今回の受賞について板東は「野球やっていた時代は一度も表彰されたことがない。でも芸能界に足を踏み入れてからは違う。最初は最優秀ホープ賞。これは漫談で受賞しました。次が平成元年、映画『あ・うん』で(日本アカデミー賞)最優秀助演男優賞。だから今回は3つ目の賞」と胸を張った。


 申告漏れの騒動で昨年、謹慎せざるを得なかった時期に「あまりに暇やったから、手話教室に通っていた。手話で“ビートたけし”を表現するしぐさは、こう(首をかしげる格好)だった。このしぐさで分かるなんて、いかに偉大な方か痛切に感じた」と明かした。


 授賞式後、本紙の取材に応じた板東は「本当にありがたい。たけしさんの温かさを感じた」と感謝しきり。だが、謝罪会見で話題となった「植毛は経費で落ちない」と言う発言について聞くと表情が一変。「あれはマスコミのみなさんに誤解がある」と話した。


 板東の説明によると、植毛にはものすごいカネがかかる。「僕なんかホントにねえ、1回の植毛で何千本単位で植えるんです。1回で7時間くらいかかるからね」。その値段は、想像を絶するほどの高さだとか。「大体5000本植えたとして50万円なんですよ」。しかも植毛は「1回やればそれで数年は大丈夫」というわけではない。「これがまたすぐ抜けるんです! だから僕は毎月、植毛してた」。そうなると1か月50万円かかるとしても、1年で600万円。「僕は7年間植毛してたから、単純計算で4200万円かかってますよ」


 これが「経費で落ちる」と思ったのに落ちなかったら、かなりの痛手だったのは間違いない。「毎年確認して申告してたのに…」。個人事務所の申告漏れを指摘した国税局の職員の中には同情する人もいたとか。「こないだ会った職員には『1年間よう我慢しましたね』と言われた」


 今年から芸能活動を本格的に再開。吉本興業に所属し「今後はどんな仕事でもやる!」と宣言。吉本興業入りにあたり、大崎洋社長からは「板東さん、遅くなりましてすいません」と言われたという。


「これからは野球の解説もやる。役者のオファーもあればやりたい。たけしさんの映画も誘いがあればぜひ出たい」。すっかり元気になった板東の動きが注目される。